Episodes 8

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NO TITLE

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August 1, 1996

2019年、第14回サイバーフォーミュラWGPX。今期、ニューマシンの性能で勝ったシュトルムツェンダーは他チームを寄せ付けずグーデリアンの乗るクロイツ・シュティールで念願の初総合優勝を飾った。

オフシーズンに入り、各チーム、ニューマシンの準備を進める中、スゴウも新型ガーランドのテスト走行とアスラーダのニューシャーシ開発を急ピッチで進めていた。“はしか”にかかったアンリの代わりにガーランドのテスト走行を行ったハヤトは昨年の記録より6秒以上早い記録を出し、お互いの意思疎通が必要となるアスラーダより、自身の意思だけで次のアクションに入れるガーランドの方が扱いやすいと感じるのだった。

第15回サイバーフォーミュラWGPXの開幕を一ヶ月後に控え、ハヤトは不眠不休でアスラーダの開発をしているクレアの努力を知りつつも、「開幕戦はガーランドで臨みたい」と希望する。修は、ハヤトのドライバーとしての言い分と疲れきったクレアの状況からクレアを説得し、ハヤト用のガーランドを用意させることにする。

誰もいないガレージを訪れたハヤトは、アスラーダに「ごめんな・・・」と言い残し、立ち去るのだった。

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FIRED!

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September 1, 1996

アオイでは、今日子のオーナー解任が突然、決定した。後任には葵自動車の出世頭と言われる名雲京志郎が任命される。開幕に向けニューマシンの最終調整を行っていた葵のテストコースに現れた名雲は突如、謎のマシンを走らせ始め、今日子にニューマシン同士のレースを提案する。今日子はテスト走行中だった新条と加賀に名雲が用意したマシン「アルザード」との勝負を指示。しかし、バイオコンピュータを搭載し、ボディにはレアメタルを使用した最先端技術のアルザードの性能は圧倒的だった。マシンの限界を感じ、負けを認める加賀。しかし熱くなった新条はそのまま追撃しようとして、エンジンブローを起こしてしまう。名雲はニューエクスペリオンの開発を中止し、エントリーマシンをアルザードに変更すること、その上、新条の解雇とアルザードのテストドライバー、フィル・フリッツをアオイのドライバーとして起用することを言い渡す。解雇の理由としてメンタルの弱さを指摘された新条は、返す言葉もなくサーキットを去ってしまう。

数日後、加賀の元を訪れた新条は、自分の殻をやぶるためにもアメリカへ渡ることを打ち明ける。

みきはアオイを辞め、新条のマシンを整備するためにアメリカに行くと決め空港で待ち受けていた。

そして、第15回サイバーフォーミュラWGPXがいよいよ開幕。ハヤトはガーランドで参戦しトップタイムを記録する。しかし、初参戦のフィルの走り、驚異的なタイムを目にし、誰もが言葉を失う。

そんな中、加賀だけはフィルに対して何か違和感を持つのだった。

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CRITICAL DAYS

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October 2, 1996

開幕戦、初優勝を果たしたフィルとアルザードは、プレスからも注目を浴びた。フィルは、「風見さんやグーデリアンさんとバトルがしたい」とサイバーに参加した感想を述べるが、会見後、名雲は「お前はトップでチェッカーを受けるためだけの存在だ」と冷たく言う。

一方、ガーランドで挑んだハヤトはミッシングリンクからデビューしたレオンと接触しリタイヤ。

その夜、あすかとデートに出かけてもレースでの苛立ちがおさまらないハヤト。そこに現れた加賀は、「あのマシンなら優勝だって夢じゃない」とぼやくハヤトに「早いマシンに乗りたいなら、代わってやる。」とアルザードに乗る違和感と「マシンの性能比べをやっているわけじゃない、レースをやっているんだ」と言い残して去る。

そして第3戦も優勝を飾ったのはフィル。アオイの快進撃、今日子の父は、今日子と名雲の縁談を進めようとしていた。

第3戦。スゴウピットではガーランドのトラブルに対処できず、チーフメカニックの良平がファクトリーにいるクレアに電話で指示を求める。我慢ならなくなったハヤトはマシンから降りると、良平を責め自らリタイヤしてしまう。後を追うあすかに、「優勝は無理。走るだけムダだ」と言い放つ。

一見好調なアルザードだが、その陰りは第4戦で現れ始めた。快調に飛ばしていた矢先、突然スローダウンしてそのままリタイヤ。名雲は、そのまま専用スタッフのコンテナに運び込むと、叫びを上げるフィルに薬剤を投与するのだった。

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EVENING CALM

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November 1, 1996

あすかはランドルに誘われた食事中に、「ハヤトはドライバーとして一番大切なものをなくした。あなたさえもそれに気づいてない」と言われ驚く。

スゴウチームは第5戦を前にフロリダでオフを取っていた。あすかはハヤトを新条が参加しているストックカーレースに誘う。ハヤトが目にした新条はまるで別人だった。たくましく強引な走りを身につけ、活き活きとレースを楽しんでいる。精神的にもたくましくなった新条とみきの成長を見て、ハヤトとあすかは驚く。

「勝つために速いマシンは必要だが、本当に走るのはプロのドライバーの自分だ」という新条の言葉に考えさせられるのだった。その夜、今期のレースを反省したハヤトは、あすかに謝り、改めてアルザードへのチャレンジを決意する。

第5戦。ハヤトは見事な走りを取り戻した。気合いを入れ、つい「いくぞ、アスラーダ!」と発してしまいそうになる。結局、またしてもレオンに巻き込まれ加賀と共にリタイヤとなってしまうが、自暴自棄になることはなかった。

今日子を探す加賀はフィルのモーターホームで、ある薬を見つける。加賀はその薬を通りかかったハヤトに渡す。

ドリンクを半分服用し、あすかと食事に出かけたハヤトはスピード違反で捕まってしまう。ハヤト自身は80キロ位だと感じていたが、実際はメーターを振り切るほどのスピードが出ていたのだ。スピード感覚にはドライバーとしての自信があるハヤトは不思議に思う。

あすかの40キロ走行の安全運転に呆れるハヤトだったが、突然、すごいスピードで走っているような感覚に襲われ絶叫する。

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BURNING!!

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February 1, 1997

ハヤトに加賀から事故を起こしたと連絡が入る。加賀もハヤトと同じ感覚に襲われたというのだ。加賀はこのドリンクにフィルとアルザードの秘密があると予想。成分の解析をあすかに任せる。

あすかはドリンクの驚くべき解析結果を報告する。そのドリンク「αニューロ」は筋肉の反応速度を増し、スピードに対する感覚をなくすという神経系の新薬だという。

そして、バイオコンピュータを併用することでアルザードはフィルの神経系に指示を出し、完璧なドライビンクを可能にしたと推測するのだ。FICCYに提訴するというハヤトに今日子は自分に任してほしいと頼む。

「コンピュータに操られて、ただ勝てればいいのか」と問うハヤトに、フィルは「全て捨てなければ何もつかめないヤツもいる」と答えるのだった。フィルは薬の過剰服用で既に異常があらわれていた。

改めてマシンとのありかたを考えさせられたハヤトは、クレアと修にアスラーダに乗りたいと伝える。アスラーダは、マシンとドライバーがともに戦えるパートナーだと気づいたからだ。しかし、修は自分とのマッチレースを条件に出す。ハヤトがアスラーダに乗りこむと、アスラーダは機嫌が悪く嫌味をこぼすのだった。

修は今だ錆びついていないそのテクニックでハヤトとアスラーダをブロック。ドリフトも修には通じずハヤトは苦戦する。コーナーでゼロの領域を使い、ダブルのイナーシャルドリフトをしようとした時、アスラーダがフォローミスを冒してしまう。しかし、そのミスにより空中で方向転換する驚異的なドリフトをマスター。思わぬ武器を得て修をパスし、ハヤトはアスラーダを取り戻すのだった。

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LIFTING TURN

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March 1, 1997

第6戦。新型アスラーダはプレスだけではなく各チームからも注目を集めた。予選後、ハヤトは加賀に「僕は僕のレースをする。それしか勝つ道はない。優勝する。」と宣言する。

同・決勝。快調な走りで順位を上げるハヤトは、2位の加賀に迫る。そして、クレアが新搭載した第2ブーストとも言えるスパイラルブーストを駆使し加賀をパス。ハヤトはフィルをとらえる。しかし、アスラーダを避けようとしたレオンとアルザートが接触し、両者リタイヤ。ハヤトは新たに会得した空中で方向転換するドリフト・ターンでレオンとフィルを回避し見事トップに出て、今期初優勝を果たす。

ハヤトは第7戦から第10戦、次々に優勝を手にする。破竹の5連勝に沸くスゴウチーム。一方、フィルの体には限界がきていた。

第11戦。ついに新条がユニオンセイバーからサイバーフォーミュラに復帰を遂げる。ライバルが復活し、ハヤトだけではなく加賀の闘志にも火がつく。その夜、開催されたレセプションでハヤトに声をかけてきた名雲は、ハヤトの父と自分の兄が昔、一緒にアスラーダの開発を手がけ、アルザードはアスラーダプロジェクトから生まれたものだったと言う。アスラーダは父・広之の「サイバーシステムとドライバーのコミュニケーションで共に成長させる」ものだったのに対し、アルザードは名雲の兄の「バイオコンピュータを媒体とした人の脳との一体化」という提案から開発されたものだった。アルザードとアスラーダが同じプロジェクトから誕生した兄弟マシンと知り、愕然とするハヤト。名雲はそんなハヤトの隙をついて、彼を誘拐してしまうのだった。

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LOSE HIS WAY

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June 1, 1997

あすかからハヤトが戻らないことを知らされたスゴウチームは捜索を始める。午後に日本グランプリの決勝を控え、フリー走行が始まる中、その事態を知った新条、加賀、ランドルも捜索に加わる。一方、フィルは加賀と新条の話を聞き、名雲のところにかけつける。名雲がハヤトを連れ去ったと察したフィルは誘拐までして勝利を得ようとする名雲に疑問を持ち始める。ハヤトの言葉を思い返し悩むフィルは加賀にハヤトがホテルのどこかにいることを伝える。加賀からハヤトの行方を知らされたランドルは、捜索のために犬を用意。ホテルの関係者からクレームが入るとポケットマネーでホテルをまるごと買い取り、ブイハチの子供も投入してハヤトのいる部屋を探させる。ハヤトの居所をつきとめたのは、シロハチとフィルだった。フィルは室内に突入してハヤトの姿を確認。一歩遅れて駆けつけたランドルや加賀、あすかたちと共にハヤトを救出する。ハヤトはランドルの侍医の働きで意識を回復するが、薬物を投与されたことにより身体に痺れが残りレースどころではない。それでもハヤトは走る意思を変えるつもりはなかった。

加賀や、迷いを払拭できず再びアルザードのシートに座ったフィルと共に決勝に挑む。

そして同時刻、今日子はアルザードとαニューロの証拠をつかみ、警察とともに名雲の元へ向かうのだった。

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NEVER

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Season Finale
July 2, 1997

熾烈な争いが続く中、名雲が逮捕された。騒がしくなるアオイのピット。今日子はインカムを取り、加賀にアオイのレースが終わったと、ピットに戻るよう告げる。しかし、加賀はこのレースだけは最後まで走りたいと頼む。その思いに捜査責任者もそれを許可する。

事件の裏でヒートアップする日本グランプリ決勝。アルザードから送られてくる指示に苦しみつつも走り続けるフィル。2位争いから抜き出た新条はフィルを猛追撃し、首位に出る。そして、ハヤトも左手の感覚が麻痺しステアリング操作を制御できなくなっていた左手をスカーフでハンドルに縛り付けレースに戻りフィルに追いつく。一進一退の攻防が続く中、名雲の最後の罠が発動。アルザードが突然暴走しだし、フィルの意思とは関係なく、アスラーダに体当たりを始めた。修がアオイのピットに怒鳴り込むが、名雲は涼しい顔で「アスラーダを潰すまで止まらない」と告げる。フィルはそんなアルザードを止めるべく、コクピット内からアルザードを破壊し、制御を取り戻したアルザードを自ら壁に激突し大破させる。駆け付けたハヤトにフィルは「ありがとう」と伝え、意識を失うのだった。

日本グランプリはレッドフラッグが提示され、その結果、新条が優勝。フィルはドライバーズポイントを剥奪され失格となり、第15回WGPXの総合優勝にはハヤトが輝き幕を閉じた。

事件は明るみになり、アオイは謝罪会見と共に一年間の出場停止となった。

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