クリスタル・デザイン・コンテストの優勝者に与えられるオーストリア・ツアーのため、ウニョンは韓国からの飛行機に乗っていた。隣り合わせたイナは、幼なじみの世界的ピアニストであるチェハに会うためオーストリアに向かっていた。チェハのマネージャーであるフィリップは、空港に到着したウニョンとイナを間違えてしまう。その日ウィーンの街で偶然ウニョンと再会したフィリップは、ザルツブルクで行われるチェハのコンサートにウニョンを招待する。ザルツブルクに向かう列車でウニョンが出会ったのはそのチェハであった。

15年前――賭博師のチョンテは息子スホを連れ、ソウルから故郷の島に帰ってきた。父親を頼りに帰郷したものの、彼は既に他界していた。途方に暮れたチョンテは、昔の知り合いのヘソンと彼女の娘のウニョンと出会う。スホを数日預かってくれとヘソンに託し、チョンテは「アメリカでの事業の後始末のため」と嘘をつき1人ソウルに戻る。置いて行かれたスホは、学校にも通い、優しい母娘と美しい島での暮らしを始める。体が弱いウニョンはスホを「お兄ちゃん」と呼び慕うが、スホは父のいるソウルへ戻るという気持ちが捨てきれない。ある日スホは泳いでソウルに戻ると言い海へ入る。心配したウニョンも彼を追いかけて海に入るが...。

ウニョンは一命を取り留めたが、スホは自分を責めていた。そんな時、一度島に戻ってきていたチョンテが、ヘソンのお金を盗み島から逃げるという事件が起こる。そのお金はヘソンがウニョンの手術のために節約をし、必死に貯めたお金だった。ヘソンはチョンテを追いかけソウルへと向かう。事情を知ったスホは、父を見つけお金を取り返すと約束し、小舟で海へと漕ぎ出すが、ウニョンは泳いでそれを追いかける。無事小舟へと泳ぎ着くが、2人が乗った舟はそのまま沖へと流されてしまう。

チェハのコンサートで思い出の曲を聴いたウニョンが会場を後にしようとしたところ、フィリップは彼女を引き留めパーティに誘う。パーティ会場でウニョンとチェハは再び顔を合わせるも、フィリップが言った冗談で、チェハはウニョンの事を「名前を変えて男をだます女」と勘違いしてしまう。気を悪くしたウニョンはその場を去ろうとするが、転んで足を怪我してしまいフィリップが彼女をホテルまで送ることに。ウニョンはフィリップに手作りの貝殻細工を贈り、翌朝早くにホテルを去る。それを見たチェハは何かに思い当たり...。

仕事のため15年ぶりに韓国を訪れるチェハ。空港で待つイナにも会わず、急用があるとフィリップに言い残し1人ソウルに向かう。ウニョンが手術をした病院など、15年前に父を探して彼女と歩いた思い出の場所を再び訪れる。ついに市場でウニョンの姿を見つけ、彼女の乗るピンク・トラックを必死に追いかけるも見失ってしまう。一方フィリップもオーストリアで会ったウニョンの事が忘れられず、彼女を探していた。

生存確認を依頼していた病院から幼いウニョンの死を報告され、ショックを受けるチェハ。イナが働く音楽事務所に出前に来たウニョンに再会するも、彼女に冷たくあたってしまう。そんなチェハを心配したイナは、ララ小学校へと彼を連れて行った。一方、ウニョンとの再会が嬉しくて仕方がないフィリップは、店の販売を手伝いデートに誘うなど積極的に彼女にアプローチしていた。

大切な貝殻細工の入った箱をウニョンに落とされたチェハは、思わず彼女を怒鳴りつけてしまう。驚いたウニョンがその場を立ち去り、彼女に謝るよう詰め寄るフィリップとチェハは険悪な雰囲気になってしまう。その夜、チェハはフィリップに電話をかける。しかし、フィリップは携帯電話をピンク・トラックに置き忘れており、その電話に出たのはウニョンだった。翌日ウニョンは、携帯電話を届けるため再びホテルを訪れる。

チェハのロードマネージャーとして働き始めたウニョン。「ウニョン」という名がどうしても気になるチェハの母チスクは、夫ミョンフンに、幼き日にスホと別れたウニョンが今どこにいるのか調べて欲しいと頼み込む。チェハが出演する音楽祭の日、イナは会場まで一緒に行こうとするが、チェハに断られてしまう。ウニョンに会社に残るよう命じ、イナは一足先に会場へと向かった。仕事らしい仕事ができずがっかりするウニョンの姿を見たチェハは、会場までウニョンに送ってもらうことにする。

ロードマネージャーとして、ふたりで過ごす時間が増えるうちに、ウニョンはチェハに心をひかれていく。そんな中、とある教会でのレコーディングが決まる。出発の日、チェハは、イナの誘いを断り、ウニョンの運転する車に乗り込む。チェハのつれない態度にイナの疑念は強まる。久しぶりにフィリップと連弾をし、山歩きを楽しんだチェハは、友情を再確認するが、一方でウニョンへの思いを留められなくなっていた。

ウニョンにキスするチェハを目撃してしまったフィリップ。ある日、チェハとイナを食事に誘い、ウニョン同伴でレストランに現れる。ピアノを弾きながらウニョンへの愛を告白するが、ウニョンはフィリップの気持ちを受け入れることはできなかった。その一方で、イナに買い物に誘われたチェハの母チスクは、チェハとイナの結婚を強く望むようになる。その晩、チェハ親子の食事に同席し、仲の良い親子の姿を見て孤独を感じたフィリップは、チェハに自分の思いを告げる。その頃、ウニョンは資料としてチェハの撮影をする仕事を依頼される。

チェハとウニョンの親密そうな映像を見てしまったフィリップは、その場に現れたチェハを殴りつける。初めて人を好きになったチェハのことを認めつつも、ウニョンは譲れないと告げる。当のウニョンは、チェハの母チスクから身分違いを指摘され、身を引くようせまられていた。フィリップと共にビデオを見てしまったイナからも激しく責め立てられ、ウニョンはついに退職を決意。ウニョンの居場所が分からなくなってしまったチェハは、彼女を探し回る。一方で、チェハの両親によるイナとの婚約発表の計画が着々と進められていた。

婚約発表の会場でウニョンを「僕の愛する人」と紹介したチェハ。父ミョンフンはチェハを非難し、母チスクはショックで倒れて入院してしまう。怒りが収まらないイナは、ウニョンを呼び出し、退職願いを返す。それは、目の届くところへ置いて、チェハとの仲を邪魔しようとする策略だった。退院したチスクは家まで押しかけて、ウニョンにチェハと別れるようせまる。心労から倒れてしまうウニョン。その原因がチスクと知った養母ヤンスンは、チスクに土下座して、ウニョンに辛くあたらないよう懇願する。

青山島に向かう電車に乗るウニョンに、行き先を知らないままついていこうとしていたチェハは、駅でミジョンの母ポンヒを偶然見かける。彼女が電話で「ウニョン」の名を口にするのを聞き、夢中で後を追いかけるが見失ってしまう。ウニョンを乗せた電車は駅を出てしまうが、急用ができたと言い、チェハはその場を立ち去った。再び病院でウニョンの生死を問い合わせるも、らちが明かず、彼女の故郷である青山島へ行き確かめようとする。

チェハがイ･スホであると気づいたイナ。チェハの両親も自分をだましていたことに激しく不信感を覚える。ウニョンの母の墓前で、「チェハとしてウニョンを愛する」と誓うチェハの姿を見て、一生チェハとして生きるよう詰め寄る。一方、ソウルに戻ったチェハは、真相がウニョンに知られることの恐れと、スホとしての罪悪感から彼女に冷たくあたってしまう。幸せの絶頂だったウニョンは、そんなチェハの態度に戸惑いを隠せない。

イナのオフィスで少年時代のチェハの写真を見てしまったウニョンは、スホとそっくりなその姿に驚く。さらに同じ日に、スホの父チョンテを街で見かけ驚愕する。チョンテはその後、ウニョンの養母ヤンスンが営む食堂を偶然訪れ、食堂は大騒ぎに。ウニョンは彼にスホの消息をたずねる。一方、チェハはカングから助けを求める電話を受け、警察へと向かった。そこにはカングの父がおり、その姿を見たチェハは衝撃を受ける。

ついに、自分が息子のスホだとチョンテに告げるチェハ。その告白を聞いていたウニョンはショックを受け、その場を立ち去る。息子のスホに再会できたと懐かしむチョンテに、チェハは二度と現れないよう冷たく言い放つ。翌日チェハの練習室で二人は顔を合わせるが、真実を知ったウニョンは、チェハに怒りをぶつけ出て行く。心配して後を追ってきたフィリップの前で、ウニョンは倒れてしまう...。

ウニョンはフィリップといっしょに安東へ。フィリップの母の実家を訪ねるが、祖父から門前払いを食らう。翌日は、ウニョンの誕生日。しかし、母の命日でもあるので派手なお祝いができない。チェハのCDが発売され、サイン会が開催される。大勢のファンと記者たちでにぎわう会場に、ウニョンも足を運んでいた。チェハがウニョンに気づくと、動揺したウニョンはその場から立ち去ってしまう。チェハの父母が会場に到着した頃、実父のチョンテと息子のカングも現れ、会場は不穏な空気になる。

スホが幼い頃姿を消し、ユン･ジェハ（チェハ）として生きてきたのは自分の手術費のためであったことを遂に知ったウニョン。チェハの失踪を聞いた彼女は、幼い頃ふたりで流れ着いた島を訪れ、そこでチェハを見つける。思い出の砂浜で、今までの思いを語り合ううちに、ウニョンはチェハを許し、かつてのお兄ちゃんと妹の仲に戻る。同じ頃、次期大臣候補の父ミョンフンの誘拐疑惑の記事が報じられ、ミョンフンはチェハと記者会見を開くことになる。

記者会見で、会場に来ていた実父チョンテはチェハを「自分の息子ではない」と断言する。チェハも自分はミョンフンの実子であると主張する。イナの証言もあり、誘拐疑惑はおさまるが、ウニョンはチェハに電話で改めて別れを告げる。その後、チェハのコンサートが開催される。開演まもなく、ウニョンの貝殻細工がないことに気づき、探している途中に指を深く傷つけてしまう。観客席にいるウニョンの為にチェハは怪我を押して演奏を続けるが...。