5年前、謎の流行病で滅びた大塚村。その生き残り、犬塚信乃、犬川荘介、浜路は村はずれの教会に引き取られて
暮らしていた。村の人々からはうとまれている3人だが、村の少年・健太は荘介を慕っていた。
教会裏の森で信乃を見かけたと言う健太に、荘介は森には入らないよう注意する。そんなある日、信乃と荘介のもとに、
帝国教会本部から召喚状が届く。一方、森で村の男達が行方不明になる事件が起きて……。
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四獣神家のひとつ、尾崎家の狐たちに連れ去られた浜路を追い、帝都にやってきた信乃と荘介。
出迎えた里見莉芳から「浜路は心配ない」と聞かされ、帝都見物に出かけた信乃は、
朱雀門に妖を喰らう鬼が出るという噂を聞く。その後、信乃は、犬田小文吾という青年が、
笙月院の僧・青蘭と言い争う場面に遭遇し、はずみで小文吾に踏まれてしまい、彼から食事をご馳走になることに。
その頃、笙月院の牢には、囚われた小文吾の兄貴分・犬飼現八の姿があった。
浜路と無事再会した夜、信乃は荘介に、5年前、大塚村で自分たちを助けたのが莉芳だったと語る。
翌日、要や浜路もまじえて帝都観光に出かけた信乃、荘介は、今度は小文吾が憲兵ともみ合っているのを見かけ、信乃が再び小文吾の下敷きになってしまう。
小文吾の実家・古那屋に招かれた信乃は、そこで小文吾に「兄貴分が笙月院に捕らえられた」と聞かされるのだった。
四獣神家の屋敷に戻った信乃と荘介は、莉芳から8つの玉探しを依頼される。
街に現れ、信乃を追いかける鬼と、鬼を狩ろうとする僧・青蘭。
なんとか争いから逃れた彼らは小文吾にかくまわれるが、そこには鬼から元の姿に戻った犬飼現八もいた。
信乃たちは、小文吾と現八が3年前、北部での人質事件に従軍し、人を喰う鬼に襲われたこと、
以来、自分たちの体にある変化が起きたことを聞かされる。
一方、強大な力を欲する青蘭は、信乃の持つ妖刀・村雨にも狙いを定めていた。
荘介が眠り、村雨がなりを潜める朔(新月)の日、四獣神家の屋敷を歩いていた信乃は、
和館への入り口を見つける。しかし、和館への立ち入りを莉芳から禁じられる。
その後、信乃は屋敷内で四獣神家のひとつ、巳神を司る観月家の娘で、和館に住むあやねと出会う。
浜路から、同い年のあやねと友達になりたいと頼まれた信乃は仕方なく和館へ赴くが、
そこで観月の守り神、大蛇のちかげに見つかり、無断で入ったことを責められて……。
西部の村で、立ち入り禁止の「ほまち山」に入った村人5人が、
生きながら体が腐る奇病で最後には死亡するという事件が発生。
彼らは山の中で美しい女に会い、水を分け与えられたという。
5年前、大塚村で起きたことと似た事件が気になり、信乃は単身西部へ向かうが、
途中、ほまち山で荘介の「義」の玉をなくしてしまう。
玉を探す信乃の前に現れたのは、巨大な猿神だった。
その頃、山のふもとでは村祭りが行われており、そこにはある男を探す楽師・旦開野の姿があった。
荘介を「家族を殺した仇」と呼んで襲いかかる旦開野に信乃は村雨で対抗するが、
旦開野の強さに押されてしまう。だが、九重に荘介が人違いであるといさめられた旦開野は、
次の日、信乃と荘介に改めて非礼を詫びるとともに、本名は犬阪毛野だと告げるのだった。
その頃、信乃が持ち帰った金塊を見た村人たちが、ほまちの山に入ると騒ぎ出す。
村の医者兼シスターの茜が村人達を止めるが、村人たちは信乃を道案内に山を登り始めてしまう。
西部からの帰りの汽車で、信乃と荘介は、ひとりの青年と相席になる。
夏にも関わらずなぜか冷え込むなか、信乃は青年に「雪のにおいがする」と
意味ありげな言葉を投げかけるのだった。やがて汽車が季節外れの雪に包まれ、
その青年・犬山道節と雪の妖・雪姫との関係が明らかになっていく—。
女学校への入学が決まった浜路は、男子禁制の寮で熊谷鈴と名乗る快活な少女と同室になる。
その夜、浜路に頼まれた本を届けるため、寮までこっそりとやってきた信乃は、
突然、悲鳴を上げて倒れてしまう。古那屋にかつぎ込まれた信乃は、「ぬいぐるみの幽霊を見た」と話をし、
小文吾や毛野たちにからかわれるが、九重だけは「鈴の音と、気が残っている」と言い……。
教会で、病に悩む信者たちの体に香油を塗る荘介と莉芳を眺めていた信乃は、
金色の瞳をした美しい女・琥珀から声をかけられる。「香油の儀式に加わる資格がない」と言う彼女に、
信乃は「神の癒しとご加護がありますように」と祈りを捧げるのだった。
そのころ、旧市街を歩いていた毛野は、自分の仇である荘介によく似た男を見かける。
やがてその男は信乃の前に現れ、昔の信乃を知っているかのように振る舞うが……。
荘介そっくりの男が、昔の信乃を知っていたことから、毛野にその男との関わりを詰問される信乃。
言い争う二人だったが、現八に水をかけられいさめられる。
着替えをする中、一同は自分たちの体に同じような花の形をした痣があることを知るのだった。
信乃は琥珀と再会し、身の上話を聞かされるが、後にその話が嘘であること、
琥珀がかつて現八や小文吾も従軍した人質事件が起きた北部の村の出身であることを知る。
昭市が信乃を撃った事件は、現八により銃の暴発ということで収められた。
次第に血への渇望を抑えられなくなった琥珀は、ついに同僚の千歳に手をかけてしまい花街から姿を消す。
重傷を負い、莉芳によって見琅館にかくまわれた信乃は、本来の18歳の姿になっていた。
目覚めた信乃は昨日言い争ったことを謝りに荘介のもとへ赴くが、その頃、荘介のもとには琥珀が現れる。
莉芳は、花街での事件を聞きつけた教会本部の賢人たちに呼ばれ、
「犬塚信乃を召喚せよ」と命じられる。その頃、外出した信乃の前に蒼が現れ、
荘介と信乃しか知りえない子ども時代のある出来事を語り信乃を驚かせる。
その後、信乃は荘介にその思い出について尋ねるが、荘介から覚えていないと言われてしまい……。
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