シーズン3 (1995)
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エピソード 24
ペーパークリップ
「祈り」からの連続エピソード。父がなぜ殺されたのか、妹の身に何が起こったのかを探るモルダー。とある写真に若き日の父と一緒に映っていたのは、ユダヤ人虐殺と人体実験に関わったナチスの戦犯科学者、クレンパー博士。彼は、第二次大戦後にアメリカが行った「ペーパークリップ作戦」によって亡命してきた人間だった。彼から助言を得て、二人は廃墟となった坑道から大量の医療カルテを発見する。同時にスカリーは異星人らしき人影を、モルダーは浮上していくUFOを目撃した。そしてスキナーは「MJファイル」のテープと引き換えに、モルダーとスカリーの身の安全をCSマンに要求する。
もっと読む休息
占い師の連続猟奇殺人事件が発生した。現場には目玉と内臓の一部だけが残されており、犯人の手がかりは一切つかめていない。そんな中、「アパートのゴミ箱に目玉をくりぬかれた女性の死体がある」と通報が入った。第一発見者である保険外交員の男性ブラックマンは、人の死ぬ未来のビジョンが見えると告白した。「未来は決まっている、私が協力しても人が死ぬのは変わらない」と言って一旦は捜査への協力を拒んだブラックマンだが、モルダーたちの説得に応じ、共に犯人の手がかりを探ることになる。だがブラックマンには、モルダーが不意を突かれてナイフで喉を切り裂かれるビジョンが見えていた……。
ブラックマン役で出演したピーター・ボイルは、これにより1996年のエミー賞を受賞している。
もっと読む土牢
ワシントン州シアトル。ファストフード店員のルーシーが、仕事中に突然多量の鼻血を出して倒れた。意識を取り戻すまでの間、彼女は「誰にも邪魔させない……」といううわごとを呟き続けていた。全く同時刻、30kmも離れた街の反対側でエイミーという少女が自宅から誘拐され行方不明になる。ルーシーの衣服に付着した血液を分析した結果、ルーシー自身のものとエイミーのものとが混じっていることが判明。スカリーはそれを、ルーシーがエイミーの誘拐に関与している証拠ではないかと疑う。一方モルダーは、かつてルーシーも誘拐され5年もの間地下室に監禁されていた過去を持つことから、ある別の可能性を推測する。
もっと読む二世
モルダーに異星人の解剖ビデオを売った男が殺された。モルダーは現場で日本の外交官を逮捕する。その男の持っていた書類から、スカリーは異星人に誘拐された経験がある女性たちと知り合う。一方、モルダーは同様に衛星写真に写っていた船の調査をするが捜査に行き詰る。マディソン上院議員からの情報を得て、モルダーは日本人医師タケオ・イシマルが「実験体」を連れ込んだ列車に潜入する。スカリーはイシマルの顔に確かな見覚えがあった。以前どこかで彼に会ったことがある、と。
アメリカでの初放映時、ある男性が恋人にプロポーズをするため、本エピソードの中に「結婚をしてくれ」という旨のテロップを流した。このカップルはお互いに『X-ファイル』のファンであり、男性は何か突飛なプロポーズがないものかと考え、このテロップでのプロポーズを番組製作側に依頼したところ、製作側は承諾した。テロップが流れてすぐ男性の恋人はOKの返事を出し、男性がそれを製作側に伝えたところ、劇中最後の(列車が去っていく)シーンで「SHE SAY YES(彼女はプロポーズを受け入れた)」というテロップが流れた。
もっと読む731
「二世」からの連続エピソード。オープニングのスローガンは「APOLOGY IS POLICY(謝罪は真実を抹殺する)」。アメリカ政府の列車に潜入したモルダーは、連結されている秘密車両の責任者である日本人医師シロウ・ザマを捜すが一足遅く、ザマことイシマルは車内で暗殺され、モルダーは彼を暗殺したNSAのエージェントと一緒に、証拠隠滅のための時限爆弾が仕掛けられた隔離車両へ閉じ込められてしまう。一方、スカリーは自身の首に埋め込まれていたチップを調べ、それを製作した日本企業を突き止める。それは存在していない企業であり、宅配便記録から割り出したウェストバージニア州のハンセン病隔離収容所跡地で、スカリーはイシマルたち旧日本軍731部隊の生き残りによる忌まわしい実験の犠牲者を発見する。
もっと読む黙示
掌から血を流す「聖痕」のイカサマを使って説教を行っていた神父が惨殺された。聖痕を持つという人間を狙った連続殺人事件が3年前から続いており、今回が11件目。さらなる凶行を防ぐため捜査に入ったモルダーたちに、両掌に突然丸い傷が現れた少年ケビンの情報が入る。虐待が疑われるため児童施設に保護されたケビンだが、自宅の庭師であるオーエンに誘拐されてしまう。オーエンは「ケビンに危険が迫っている。彼を守れと神に命じられた」と主張。モルダーたちを振り切って逃亡するが、ケビンを襲った謎の男に絞殺されてしまう。オーエンの遺体は死後14時間経っても死後硬直を起こさず、体温も失われないままだった。
もっと読む害虫
マサチューセッツ州ミラーズグローブ。研究者の多いこの街で、害虫駆除業者が仕事中に急死した。彼の遺体は多数のゴキブリに覆われていた。たまたまこの事件に遭遇したモルダーが捜査を始める。現場にはゴキブリの脱皮した抜け殻らしきものがあり、それは金属でできていると判明。その後も研究者や高校生などが同様にして次々と死亡するが、電話で報告を受けたスカリーは、アナフィラキシーショックやドラッグの影響、脳動脈瘤破裂など、既知の知識でそれぞれの死因は説明できると指摘する。地元の保安官から情報を得て農務省の実験施設に潜入したモルダーは、昆虫研究の専門家ベレンバウム博士(通称バンビ)、惑星探査のために昆虫型ロボットを研究するイヴァノフ博士と出会い、事態の究明を試みる。
もっと読む星
未来を嘱望された男子高校生のブームが、首吊り死体となって発見される。その葬儀の真っ最中、モルダーとスカリーも見ている前で棺が突然炎上した。遺体を発見した同じ高校のチアリーダー、テリーとマージは「悪魔教の信者に襲われた」と証言。2人の言葉は一字一句に至るまで不自然なほど一致していた。さらに高校内でバスケット部の高校生が可動式観客席に巻き込まれて事故死。街全体が流言パニックによって不穏な空気に包まれ、モルダーとスカリーもなぜか普段の冷静さを失って喧嘩別れしてしまう。ブームの遺体に山羊の頭のように見える傷がついているのを見つけたモルダーは、街の占星術師を尋ね、84年に一度の悪い星回りがこの土地に影響を与えていることと、1979年の同日に生まれたテリーとマージが最も強い影響を受けていることを知る。
原題の「syzygy」とは、占星術用語で「地球と太陽と月が直列になる状態」を意味する。
もっと読むグロテスク
3年の間に7件の連続猟奇殺人を犯した男が逮捕された。若く健康な男性ばかりを狙い、両目を突き刺し口を頬まで左右に切り裂くという残忍な手口。容疑者モストウは暗い自室でガーゴイルをモチーフとした塑像やスケッチを大量に制作していた。彼は一貫して「やったのは俺じゃない、悪霊に取り憑かれていた」と主張する。そして、モストウが逮捕されているにも関わらず、全く同じ手口の殺人事件が発生。時を同じくして、モルダーはモストウの自宅に一晩泊まり込む、凶器として保管されていたカッターナイフを手に握るなど、常軌を逸した行動を取り始める。ずっとこの事件を追ってきたモルダーのかつての上司・パターソン捜査官は、モストウの主張を一蹴するが……。
テレビ朝日版では神戸連続児童殺傷事件の影響で第3シーズンの最終回として放送。タイトルも「怪物」に変更になった。
もっと読む海底
太平洋上、北緯42度東経171度。フランスのサルベージ船「パイパー・マル」の乗員多数が外部からの高度放射線被曝を受ける事件が起こった。しかし船自体に残留放射能はなく、また乗員の中でひとりの潜水士だけが全くの無傷だった。モルダーはこの船員の自宅を訪ねるが、船員は全身黒い油にまみれて倒れており、彼の妻が行方不明となっていた。この船員は、潜水作業で引き上げようとした米軍の潜水艦に残っていた、軽油を媒体として人間に乗り移り行動する地球外生命体「ブラックオイル」に侵入されていたのだ。彼の妻に乗り移ったブラックオイルは香港へ向かう。一方、この事件の捜査を行っていたモルダーもいくつかの情報を得て香港へ向かい、そこで因縁の相手・クライチェックと遭遇する。
「パイパー・マル」という船名は、スカリー役のジリアン・アンダーソンがシーズン2の途中で出産した娘の名前、パイパー・マルから取られた。
もっと読むアポクリファ
「海底」からの連続エピソード。クライチェックは香港で「ブラックオイル」に侵入され操られていた。モルダーと一緒に移動中のところを謎の男たちが襲撃するが、ブラックオイルは襲撃を退け、負傷したモルダーを置いて逃亡。MJファイルのデータテープと引き換えに、CSマンからUFOのありかを聞き出す。一方、馴染みのカフェで突然撃たれて重傷を負ったスキナーは、犯人の男に見覚えがあるとスカリーに語った。スカリーは地道な捜査で銃撃犯を追い、スカリーの姉・メリッサを射殺した犯人と同一人物であることを突き止める。
「アポクリファ」とは、新約聖書外典のこと。ギリシャ語で「隠されたもの」を意味し、初期キリスト教の正統教会に認められず、新約聖書(正典)に収録されなかった外典群を指す。
もっと読む執筆
作家のホセ・チャンが登場、後に『ミレニアム』第31話「最期の審判」(Jose Chung's Doomsday Defense)に登場する。カップルがUFOにさらわれた事件を担当していたモルダー捜査官の元に、新境地を模索していた作家のホセがインタビューを申し込む。事件ではメン・イン・ブラックまで出てくる大騒ぎとなったが、後の調査で異星人が元軍人による変装だったことが判明する。実は米軍は、「恐怖の対象に攻撃を仕掛けない」という本能を利用して、宇宙人説を隠れ蓑に軍事演習をしていたという。モルダーがインタビューを断ったため、その代わりにスカリーが出向いた…という設定で進む回想形式のエピソード。
様々な有名作品のパロディやオマージュを詰め込んだ、コメディタッチのエピソードである。元ネタは「スター・ウォーズ」、「未知との遭遇」、「ツイン・ピークス」など。
もっと読む電波
メリーランド州で、善良な人間が突如として周囲の人間を殺す事件が続発する。犯人に精神病の既往歴はないが、例えば妻と隣人4人を殺して収監された男性の供述は「同じ人間を5回殺した」など、いずれも全く要領を得ないものだった。犯人たちの共通点は、ケーブルテレビをよく見ており多数の録画テープを持っていたこと。モルダーは2ヶ所の現場で全く同じ人物が電柱の分波器に工事をしていたのを目撃し、分波器から謎の装置を発見する。一方スカリーは、真夜中の車内でモルダーがCSマンと談笑し、重要な証拠となるはずのビデオテープを渡してしまう場面を目撃。スカリーの心中には、モルダーが敵と内通しているのではないかという強い疑念が広がっていく。
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