الحلقات 30
第1話
今日は、九玉造(いちぢくたまぞう:伊志井寛)が園長の九(いちぢく)保育園の創立二十周年記念日。日曜日だが記念式典があるため、保育園に母親と居宿している四方光(よもひかる:水前寺清子)は、保父の正司良二(岡本信人)を手助けして園児の面倒などでてんてこ舞い。玉造の妻、静香(乙羽信子)、光の母勝(山岡久乃)、保母の田中央代(長内美那子)も二百個の赤飯オニギリを作るのに大忙しだ。遊びに来た玉造の甥の上野署勤務の刑事、段進矢(石坂浩二)も仕方なく台所を手伝う羽目になった。ところが、婦人警官になった妹、香子(和泉雅子)の身を案じる堀江比奈子(長山藍子)が玉造に相談に来て、園児の交通指導の打合せに現れた香子と会い口げんかを始めた。勝も光の同級生、洞外次代(沢田雅美)が光のものだと警察官心得帳を届けてくれたことから、光が警察学校へ通っていることを初めて知り慌てた。
اقرأ أكثر第3話
警察学校を卒業し初めて配属される署には父兄が付き添って挨拶にいく…こんな話を聞いた光(水前寺清子)と次代(沢田雅美)は困ってしまった。二人とも、親は婦人警官になることを認めてくれていないのだから、とても付き添いなど頼めない。一方香子(和泉雅子)も姉の比奈子(長山藍子)がスリ係に移る妹の身を案じてパトロールについていくと言い出したので頭にきた。現役の警察官ともあろうものが、姉に付き添われてパトロールしたのではさまにならないではないか。早く恋人でも作って結婚してくれればいいと言った香子だが、光から比奈子が豆問屋の若旦那、杉本公一(児玉清)と喫茶店で話していたと聞くとやはりショックを受けた。
اقرأ أكثر第4話
いよいよ警察学校の卒業式の日になった。だが光(水前寺清子)と次代(沢田雅美)はまだ付き添いが決まらず、四苦八苦していた。光は玉造(伊志井寛)に頼み、次代は最後の手段とばかり式場から両親を電話で口説いた。ほどなく式場には光の為に玉造と静香(乙羽信子)、次代は両親のほかに弟までが出席し、いつもにくまれ口をききあっているもの同志がお互いの思いやりの心に触れて温かいものを感じあった。卒業生代表で答辞を読んだ光は、玉造にはげまされて母の勝に電話をかけ、そこでもう一度答辞を読んで聞かせた。悔いのない青春のためにこの職業を選んだという光の朗読を電話で聞いて、勝の頬は涙にぬれた。
اقرأ أكثر第5話
警察学校の卒業式に答辞を読んだという光(水前寺清子)の声を電話で聞いて、母親の勝(山岡久乃)はたまらず光の初めての配属署へ挨拶へいった。結局親なんて甘いもの。勝も次代の親の大介(中村俊一)やきく(初井言栄)もやや自嘲気味だが、光や次代は親の愛情に改めて触れた思いがして胸を熱くしていた。だがこの卒業式のつきそいには、お互いに内緒で出かけた玉造(伊志井寛)と静香(乙羽信子)、大介ときくの夫婦げんかというおまけがついた。一方香子(和泉雅子)はいよいよスリ係としてのパトロールを始め、張り切っていた。しかし、留守中、姉の比奈子(長山藍子)をおとずれたふたりの男性のうち、どちらかが比奈子の恋人ではないかと神経をとがらせた。
اقرأ أكثر第13話
比奈子(長山藍子)と杉本公一(児玉清)の結婚話は、比奈子の世間知らずと純情過多で難航していた。香子(和泉雅子)はそんな姉がじれったく、見かねて「九保育園」の静香(乙羽信子)と勝(山岡久乃)に応援を頼んだ。しかしいざとなれば若い二人のこと、どうやらPTAが口を出すまでもなく自分たちで話を進めていくようだった。光(水前寺清子)は進矢(石坂浩二)と比奈子がなんでもなかったことを知り、ごきげんになって進矢をほおづき市に誘ったり、靴下を繕ってあげたりしていた。しかし、進矢は光のあまりに急な変化についていけず、顔を合わせると相変わらずぼんぼんいいあうことになった。そんなとき、進矢が追っている空き巣が松平雪乃(佐良直美)の親戚の家にはいり、居直って刺傷事件を起こしたので進矢は現場に駆け付けた。
اقرأ أكثر第15話
自分を捨てていった母からきた手紙を進矢(石坂浩二)は読みもせず焼き捨てた。光(水前寺清子)は進矢の心の傷に直接ふれたような気がして、日頃の毒舌も忘れて進矢を見つめた。「豆せん」の比奈子(長山藍子)は杉本公一(児玉清)と結婚後の生活設計の話に余念がなかった。ところがある日、突然公一の母が比奈子に会いに来て、結婚の話を進めてしまった。式は来週、公一は「豆せん」から親の店へ通うこと、というのである。これには比奈子も公一も比奈子の親代わりである玉造(伊志井寛)も静香(乙羽信子)も唖然とさせられた。そのころ進矢の執念が実って、障害致死事件まで起こした空き巣の足取りがつかめた。クリーニング屋の宅配だという。捜査本部は色めきだった・・・。
اقرأ أكثر第16話
「豆せん」の比奈子(長山藍子)と公一(児玉清)の結婚式は明日に迫った。急な話なので、親かわりの玉造(伊志井寛)と静香(乙羽信子)も準備におおわらわ。しかし、当人の比奈子はぼーっとするばかりで、おせんべいを焼いたりして妹の香子(和泉雅子)をあきれさせた。香子も細々と姉の世話を焼きながら、姉を嫁がせるさみしさをかみしめていた。光(水前寺清子)は、空き巣の犯人を追って家へも帰ってこない進矢(石坂浩二)が心配でたまらなかった。ところが、空き巣の犯人が、どうやら保育園の保父の正司良二(岡本信人)の友達、瀬田健(三城康裕)らしいのだ…。
اقرأ أكثر第17話
比奈子(長山藍子)と公一(児玉清)の結婚式は、どしゃぶりの雨の中で挙行された。式場に向かう前、結婚は人生の墓場なりと強調しすぎた玉造(伊志井寛)と静香(乙羽信子)は、比奈子に、とっても怖くて結婚できませんと泣きだされて大慌て。勝(山岡久乃)の説得でやっと花嫁の機嫌を直し式場へ送り出したが、この結婚式にはみんなはらはらさせられ通しだった。光(水前寺清子)は、松平家のばあやが殺された事件を巡って、進矢(石坂浩二)と松平雪乃(佐良直美)が急遽親しくなっていくのを見てショックを受けていた。実は進矢と雪乃は犯人の容疑で逮捕された瀬田健(三城康裕)を、先入観なしてもう一度調べてみようと話し合っていただけなのだが…。
اقرأ أكثر第18話
このところ「九保育園」はふたつの低気圧に見舞われていた。ひとつは光(水前寺清子)、ひとつは園長の九玉造(伊志井寛)である。光は進矢(石坂浩二)と「豆せん」の比奈子(長山藍子)の婚約が誤解とわかって機嫌を直したのもつかの間、今度は進矢と雪乃(佐良直美)の関係を疑い出した。実は、進也と雪乃は雪乃の親戚の家のばあやが殺された事件の捜査について話し合っていたのだが、そんなこととは知らない光はふたりが親しそうなのを見て、荒れに荒れ、母親の勝(山岡久乃)をてこずらせていた。一方玉造の低気圧の原因は、進矢を捨てていった玉造の妹で進矢の母親でもある吉川美沙子(桜むつ子)の出現によるものだった。美沙子はどうしても進矢に会いたいというのだ。今更何をいうかと気が立って妻の静香(乙羽信子)を嘆かせていた。だが、進矢だけはこの二つの低気圧の渦中に自分がいることも知らないで捜査に熱中していた。
اقرأ أكثر第19話
いつもはボーイッシュなようでも、恋を知った乙女心は不思議なもの。光(水前寺清子)は松平雪乃(佐良直美)がかわいい浴衣姿で進矢(石坂浩二)に会いにきたのを見ると、口ではボンボン進矢にたて付きながらも、また悲しくなってきた。そこで雪乃に負けずに女っぽくなろうと決心した光は、自分も浴衣を買い込んできて縫い始めた。だが、こんな姿は照れくさくて、親にも見せられないというので、光の部屋からシャットアウトされた母の勝(山岡久乃)はわけがわからずますます扱いにくくなる娘に手を焼いた。九(いちじく)玉造(伊志井寛)は、赤ん坊の進矢をすてて駆け落ちした妹の美沙子(桜むつ子)に会いに行き、もう再び姿を現すなといった。しかし、そこで美沙子から、妻の静香(乙羽信子)が毎月二万円ずつ送っていたことを知らされて激怒した。だが夫の妹に尽くす妻の気持ちがわからないのかと、静香に泣きだされ、玉造は困ってしまった。
اقرأ أكثر第21話
仲の良い姉妹で有名だった比奈子(長山藍子)と香子(和泉雅子)が取っ組み合いのけんかを始めた。ことの発端は、新婚早々の公一(児玉清)と比奈子の邪魔にならないようにと、香子が寮に入ると言い出したからだった。公一の知らせで駆けつけた玉造(伊志井寛)と静香(乙羽信子)も突き飛ばされるほどのすさまじさだった。一方、光(水前寺清子)は、生みの母の吉川美沙子(桜むつ子)に会ってショックを受けた進矢(石坂浩二)をなぐさめようとしたが、かえって進矢の神経を苛立たせてしまった。その上、進矢は雪乃(佐良直美)に誘われて、みんなで海に行く計画を立て始めた。雪乃にライバル意識をもやす光は、内心、誰がいくもんかと毒づきながらも、水着の選択に余念がなかった。
اقرأ أكثر第22話
大磯行きの日、光(水前寺清子)は、進矢(石坂浩二)とまた衝突し、仮病を使ったためとうとう海にいけない羽目になってしまった。雪乃(佐良直美)に張り合って、あれこれ支度に手間取る光を、進矢が遅い!といったことがカチンときたのだ。一方、姉の比奈子(長山藍子)と派手な姉妹喧嘩を演じた香子(和泉雅子)は、一夜あけるとさすがにしょんぼりしていたが、それでも比奈子にはツンツンして進矢たちと大磯へ出かけてしまった。悲しんだ比奈子は夫の公一(児玉清)にまで八つ当たりして夫婦喧嘩が始まってしまった。お互いの思いやりがこじれて発展した、「豆せん」の一家の揉め事は、当分続きそうな様子だった。
اقرأ أكثر第23話
進矢(石坂浩二)、雪乃(佐良直美)、香子(和泉雅子)、次代(沢田雅美)、静香(乙羽信子)らは、大磯のロングビーチに海水浴にいった。そして進矢は、大磯から小ガニを一匹、光(水前寺清子)にお土産を持って帰ってきた。土産があると聞いて貝のブローチか海辺の桜貝かとロマンチックな思いに胸をときめかせた光は、小ガニを見てがっくり。人を子供扱いにすると怒ったが、後で洗面器の中で大事そうに飼っていた。比奈子(長山藍子)は妹思いが行き過ぎて、夫の公一(児玉清)の世話がおろそかになり、二度目の夫婦げんかをしたあと、公一にもう帰ってこなくてもいいといってしまった。いったあとで後悔したが、公一はもう帰ってこないと出て行った。妹の香子は姉の子供じみた喧嘩にさすがに呆れ、比奈子にこんこんと説教をしたが、この夫婦喧嘩、果たして夫の家出までに発展するかどうか…。
اقرأ أكثر第24話
パトロール中の光(水前寺清子)と次代(沢田雅美)は、バラバラ死体が詰められていたスーツケースを拾ってしまった。いかに警官だとはいえ、若い娘にこの刺激は強すぎた。光はその夜、すき焼きの肉が食べられなくなり、次代は庭の木の影にも怯えた。その事件のため、進矢(石坂浩二)は松平家の招待には応じられなくなり、伯父の玉造(伊志井寛)がひとりで出かけて行った。松平氏の話は案の定、一人娘の雪乃の婿に進矢をどうかということだった。それを聞いた静香(乙羽信子)は進矢を養子にやるなんてとんでもないといきり立った。光は光であいつもとうとう婿にいくか、と一人さみしい思いをかみしめていた。
اقرأ أكثر第25話
進矢(石坂浩二)は伯父の玉造(伊志井寛)からきた雪乃(佐良直美)との縁談を他に好きな女性がいるからときっぱり断った。進矢と雪乃のなりゆきを心配し、たまたま本土にやってきた台風のように荒れもようだった光(水前寺清子)は、その話にほっとしたが、今度は進矢の好きな人というのが気になり、不安で胸がことこと鳴ってきた。光と次代(沢田雅美)が見つけたバラバラ死体の捜査を続けていた進矢は、被害者に隆鼻術の後があることを知った。その頃、家出した鶴田警部補(奈良岡朋子)の弟の文夫(山崎猛)は石田(田村保)と名乗る男から職を紹介されていた。やがて、この二つが結びつき、大きな悲劇を引き起こすことになろうとはだれも気が付かなかった。
اقرأ أكثر第26話
比奈子(長山藍子)の姉バカぶりは、結婚してますますひどくなったようだ。今日も妹の香子(和泉雅子)がひとりでスリを追いかけていると聞いて、心配のあまり取り乱し、警察に捜索願いを出すとまで言い始めた。これには夫の公一(児玉清)も玉造(伊志井寛)も静香(乙羽信子)も手を焼いた。進矢(石坂浩二)は引き続き、バラバラ事件の捜査に取り組んでいたが、なかなか進まず、かえって自分が風邪で倒れてしまった。雪乃(佐良直美)は風邪薬を進矢に飲ませたが、別に好きな人がいると聞かされさみしい笑顔となった。光(水前寺清子)は、家に帰った進矢にオレンジジュースを届けた。光の思いがけないやさしさに触れた進矢は、かわいい鬼だね。といった。光のほほがなんとも恥ずかしげに赤らんだ。
اقرأ أكثر第27話
バラバラ事件がLSDの密輸事件と関係があることを突き止めた進矢(石坂浩二)たちは、大がかりな捜査網を張った。谷中のアパートに住む石田(田村保)という男を中心に、今日あたり取引が行われそうな気配なのである。しかし、仲間の中に何も知らずに巻き込まれた鶴田清子警部補(奈良岡朋子)の異母弟の文夫(山崎猛)がいることを、進矢も光(水前寺清子)も清子も知らなかった。光はきつい捜査の中で、風邪の直りきらない進矢のことばかり心配していた。九保育園ではすぐそばで大事件が起きようとしていることも知らず、今日も良二(岡本信人)が運動会の遊戯を子供たちに教えるのに余念がなかった。
اقرأ أكثر第28話
刑事たちに追い詰められた麻薬密売人でバラバラ事件の容疑者でもある中川(荒川保男)は、何も知らない文夫(山崎猛)を道連れに、ライフルを構えて「九保育園」を乗っ取った。そこで園児を人質にしてしまった。玉造(伊志井寛)と進矢(石坂浩二)はインターホンで中川と交渉し、子どもたちの身代わりに保母を何人か人質として渡すことにした。そして、人質に志願したのが光(水前寺清子)、次代(沢田雅美)、香子(和泉雅子)、雪乃(佐良直美)の四人であった。保母を装って、教室の中に入った四人に松本刑事部長(織本順吉)は、絶対犯人を逮捕するなどという気は起こさないでくれと厳重に注意したが…。
اقرأ أكثر第29話
まれに見る難事件でみんなを震え上がらせたバラバラ事件は、鶴田清子警部補(奈良岡朋子)の死という痛ましい犠牲を払って解決した。鶴田清子の死が光(水前寺清子)や香子(和泉雅子)たちに与えたショックは大きく、焼香する光たちの眼からとめどなく涙があふれた。香子はこれを機に清子の後を継いで本格的にスリ係として立つことを決めた。光は雪乃(佐良直美)に進矢(石坂浩二)も光を好きなはずだといわれて思わずほおをそめた。しかし、当の進矢とは一向にムードのない付き合いが続いていた。じれた光は、光たちがバラバラ事件の犯人の人質から解放されたとき、進矢が光を抱きしめたのはなぜかと進矢に向かって問いただした。
اقرأ أكثر第30話(最終話)
進矢(石坂浩二)は光(水前寺清子)についにプロポーズした。母の美沙子(桜むつ子)のふしだらな生活をあれこれ思い悩む進矢に、光が思いがけない素直なやさしい慰めの心を示してくれたのにうたれたのだ。「ありがとう」と光は進矢に頬を染めて答えた。美沙子はまた再婚するといってみんなをあきれさせたが、それが進矢の幸福を祈って身を引くための嘘だということが、玉造(伊志井寛)や静香(乙羽信子)にもわかってきた。美沙子は母親の直感で、進矢の好きな人というのが光だと思い、ふたりを結婚させてやってくれと、涙ながらに玉造や静香、光の母の勝(山岡久乃)に頼んで、新しい仕事先の宇都宮へ発っていった・・・
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