Épisodes 10

ミステリー作家として生計を立てている“M”(阿部寛)は、お気に入りの店を書斎替わりに、人間観察をしながら執筆作業をする日々を送っている。特にお気に入りは、“BAR灯台”と“喫茶マーメイド”。そこでMは常連の客たちと、他愛もない日常を共有し、誰かといながらも一人気ままに過ごすような都会の生活を送っている。

そんな折り、Mが執筆している雑誌の編集者・澤田(渡辺大知)から、新しい連載のためのエッセイを書いてみないかと提案される。しかしMは気が乗らず、返事は保留に。Mには恋人“F”がいる。些細なケンカをきっかけに連絡を取らないまま3週間が経った時、“BAR灯台”に、Fの姉(酒井美紀)と名乗る女性が現れる。

ハロウィンの夜からFが音信不通で行方不明だという。姉は、恋人であるMが妹を殺したんじゃないかと詰め寄るが、Mは彼女の居場所すら見当もつかず困惑する。静かなMの日常に少しの変化が訪れ始める…。

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#2 友達いないんですか?

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21 septembre 202224m

ミステリー作家の“M”(阿部寛)は、恋人“F”の姉(酒井美紀)の登場により、ハロウィンの日からFが行方不明だと知る。“BAR灯台”の常連メンバーやマスターのカオル(Chara)は、姉に“かつあげ”されたMの出来事をおかしげに話す。バイトのミト(鳴海唯)がFの居場所を「友達に聞いてみたらどうか」と提案するが、Mは、Fの友達どころか、好きな食べ物を聞かれても、何も自信をもって答えることが出来なかった。

Fの居場所の手がかりになればと彼女の勤め先である幼稚園に向かったM。園長からFが辞めた経緯を聞くが、Fの同僚は「嘘だ」といい、仕事終わりにMを駅前のカフェに誘う。

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3

#3 あなたの関節を全部折ります

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28 septembre 202224m

エッセイの連載を開始したミステリー作家“M”(阿部寛)は、編集者・澤田(渡辺大知)に言われるがまま、人生初のSNSを始める。誰もフォローしてくれないかもというMの不安をよそに、どんどん増えていくフォロワー数。投稿する度に誰かから反応があり、MはSNSに夢中になっていく。投稿したトークイベントの告知に返信が届いた。内容を見ると、「その日にあなたの関節を全部折ります」という脅迫文…。

澤田に相談するも「大丈夫」の一点張りで、その上警察も相手にしてくれない。不安を募らせたMは、今まで連絡するのを躊躇っていた恋人“F”に「どこにいる?」とメッセージをふと送ってしまう。トークイベント当日、大勢の女性客の中に一人だけ大柄な男が紛れ込んでいた。見るからに怪しいその男は、無表情でMを見つめ続ける……。

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4

深夜の“BAR灯台”。ミステリー作家“M”(阿部寛)は自分のファンだという美女(大島優子)との話に花を咲かせていた。残る客は二人の他に、泥酔している青年・泉(青木柚)のみ。店の締め作業が始まっている事に気付いたMと美女は、店を後にする。駅まで歩いてきた二人は、酔って歩けなくなっている泉と遭遇。泉は地蔵の前で拾ったという赤い前掛けを持っていた。

それを見た美女は血相を変え、「地蔵は怒らせると怖いから」と三人で前掛けを返しに行く。泉を自宅へ送り届け、闇夜に取り残されたMと美女。「一緒に行きたいところがあるの」と美女に誘われ、行動を共にするMだったが、行き先は不気味な場所ばかり。しかも彼女は、教えてもいないMの情報をなぜか知っているのだった。美女の怪しい行動に不信感を抱いたMは、彼女の目的を問い詰める。果たして、彼女の正体とは…。

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5

#5 一年でいちばん楽しい日

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12 octobre 202224m

クリスマスと正月が同居する年末の東京。皆が帰省や旅行の話題で盛り上がる中、ミステリー作家“M”(阿部寛)には特に行くあても無い。Mが“Bar灯台”を訪れると、青年・泉(青木柚)がやってきた。帰省するミト(鳴海唯)の代わりに年末だけバイトをするらしい。ミトはMに「余計なことは言うな」と釘を刺す。泉がフクオの息子だという事は、泉とミト、そしてMしか知らない秘密なのだ。

翌日、Mはインフルエンザにかかり寝込んでいた。心配した“Bar灯台”のマスター・カオル(Chara)は、泉とフクオに差し入れを届けに行くよう頼む。不意にやってきた親子二人きりの時間。戸惑いながらも、密かに喜びを感じる泉。1月1日、Mのスマホに着信が入る。「あけましておめでとう」といったその声は、失踪中の恋人“F”だった。

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6

#6 変わっていくんですよ、全部

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19 octobre 202224m

ミステリー作家“M”(阿部寛)は、前職で知り合い親しくなったTVプロデューサー・大関が病床に伏していると聞き、かつて勤めていた美術制作会社を訪れる。すっかり変わってしまった顔ぶれの中、相変わらず気だるそうにタバコを吸う社長がいた。社長は大関の病状をあらかた説明すると、「お前は何も変わらないな」とMに言った。帰りに立ち寄った“Bar灯台”には、恋人“F”の姉(酒井美紀)がいた。

Fと電話をしたと伝えると、姉は少し安心した様子を見せた。いつものように『リフォーム代』を渡すMだったが、姉は「もういいです。変わっていくんですよ、全部」と言い放ち去って行った。閉店後のBar灯台。泉(青木柚)は意を決して、自分はフクオ(宮藤官九郎)の息子であると打ち明ける。Mを置き去りにするように、周りはどんどん変わっていく。Fは今、どこで何を想っているのだろう。

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2年前、“F”(尾野真千子)は姉(酒井美紀)と高級ホテルのラウンジで人を待っていた。そこに現れたのは、今まで一度も会ったことのなかった母方の祖母(草笛光子)。F達の母親は20歳で家出をし、26年前に事故で亡くなった。なぜ今更連絡をしてきたのかと問う姉に、自分の余命はあと1年で、今のうちに会っておきたかったと伝える祖母。苦労を共にしてくれなかった祖母に愛情を持てない姉。

その姉とは対称的に、Fは祖母を受け入れようとしていた。翌日、恋人“M”(阿部寛)に連れられ“BAR灯台”で所在なさげに飲んでいたF。尿意を催したFはトイレへ立つが、混み合っておりやむを得ずコンビニへ。そこで、バイトを抜けてサボっていたミト(鳴海唯)とばったり遭遇する。今まで関わることの無かった2人は、ある共通意識を持っていた。ある日突然姿を消したFの物語が解き明かされる。

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8

#8 その嘘には値打ちがあるよ

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2 novembre 202224m

いつものように“Bar灯台”で飲んでいたミステリー作家“M”(阿部寛)は、急遽家を留守にすることになった編集者・澤田(渡辺大知)から猫のナベシマを預かった。翌朝、Mの部屋にいるはずのナベシマが見当たらない。焦ったMはフクオ(宮藤官九郎)に助けを求めるが、フクオはあっさりとナベシマを見つけてしまう。Mはお礼にと、“喫茶マーメイド”にフクオを連れてくる。

そこでフクオは、ある重大な『嘘』をついていた事を打ち明ける。フクオと別れたMは、浅草の演芸場でマジックショーを見ていた。ほとんど客のいない劇場で、Mは参加型マジックのゲストに指名される。マジシャンに言われるがまま大きな箱の中に入り、剣を刺されていくM。そんな中、Fが何の前触れもなく静かに客席に入ってくるのだった。

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9

#9 すごく遠くに来た気がする

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9 novembre 202224m

浅草の演芸場で半年ぶりの再会を果たしたミステリー作家“M”(阿部寛)と恋人“F”(尾野真千子)。独りになるのも悪くないと思いながら過ごしてきたMだったが、戻ってきた彼女の姿を見てやはり幸せを感じていた。Fは、「一緒に旅行をしないか」とMを誘った。子供の頃に行った能登にもう一度行きたい、とMは答えた。能登について早々、FはMのマイペース加減にうんざりしていた。

車では助手席を陣取り、楽しみにしていた牡蠣小屋では「牡蠣が食べられない」と言い出すM。落胆していくFをよそに、Mは「楽しすぎなくて丁度いい」と満足げに話すのだった。宿に着き、部屋でくつろぐ2人。テレビでは無戸籍女性の死体遺棄事件が特集されている。亡くなった女性の気持ちを考察するFだったが、Mによると以前は真逆のことを言っていたらしい。自身の大きな変化に気付き、Fはある決断をするのだった。

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10

#10 ずっと友達でいてね

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Clôture
16 novembre 202224m

彼女と別れて1年後の夏。ミステリー作家“M”(阿部寛)は、友人・大関の葬儀に参列していた。知り合った当時、彼はまだ下っ端のADで、非常階段に寝袋を敷いて生活をしていた。「10年後、俺たちどうなっているかな」とよく口にしていた彼はプロデューサーになっていた。エッセイの単行本化に向け準備を進めていたMだったが、ここにきて澤田が出版社を辞めると言い出す。エッセイはどうするのかと心配するMに、

澤田はエリート系現代っ子の後任・若林を紹介した。今まで関わりのなかったタイプの人間を前にして、戸惑いを隠せないM。若林とデザイナーたちに囲まれて打ち合わせをしていたMは、いつもと違う空気に馴染めず、外の喫煙所でタバコを吸っていた。おーい、とMを呼ぶ声がする。振り返ると、非常階段に寝袋が敷かれていた。ファスナーが開きひょっこり顔を出したのは、若かりし日の大関だった。

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