視力が衰えて引退生活を送る元警部のブラスが、自宅で襲われる。襲撃犯はブラスに射殺されたが、1990年代半ばにラッキーと名乗る誘拐犯に身代金として支払われた古い100ドル紙幣を所持していた。ブラスは当時その捜査に関わっていたが、ラッキーの逮捕には至らなかった。ラスベガス市警CSI主任マックスは、駆け付けたサラ・サイドルとともに捜査を始めるが、その直後、「ブラスは始まり」というメッセージが届く。

結婚式前夜に、新郎新婦のネイトとジニーが惨殺される。2人はクレメントがんセンターで働く腫瘍内科医だった。フォルサムとアリーは、ネイトの家のガレージの赤いオイルの痕跡と室内の靴跡に付いていた花粉から、スワップクラブ「スクランブル」にたどり着く……。また、貸し倉庫からホッジスが分析官として担当した事件で証拠を捏造した跡が見つかり、グリッソムとサラはCSIチームへの復帰を申し出る。

ゲームデザイナーのサンドラが刃物で殺害される。検視の結果、強い力で何度も刺されていたにもかかわらず骨には傷がなかった。アリーは現場周辺を捜査し、ゴミ箱から凶器を発見。それは3Dプリンターで作られた軟らかなナイフだった。犯人の逃走経路沿いの監視カメラには、顔をはっきりと向けた男の姿が写っていた。一方、内部調査局がホッジスの証拠捏造容疑をワショー郡で捜査することに決定したという知らせが届く。

ハワイをモチーフにしたハイビスカスホテルで男性の遺体が見つかる。蒸し焼き用のバーベキュー・ピットの中で、身元が分からないほどの焼死体となっていた。排泄に関連する電気的刺激を送る仙骨神経刺激装置を付けていたため、そのシリアルナンバーから被害者はホテルのオーナーの息子ジェレミー・ジャクソンと判明する。両親は息子を好青年だったと語るが、彼がホテルの従業員レイチェルに性的暴行を働いたという疑惑が浮上する。

管制官に応答せずマッカラン空港に着陸した貨物機。ハイジャックの恐れからSWATが突入するが、機内には生存者はなく、機長、副操縦士、機に同乗して帰宅途中だったパイロットの遺体があった。捜査を進めると、積み荷から200万ドル分のカジノチップが消えており、同乗したパイロットのトゥルエットがスーツケースに何者かを潜ませて搭乗させたことが判明する。その第4の搭乗者がチップを奪い、飛行中に脱出したのだった。

ホッジスが捏造したとされる証拠を捏造したのは元検視官マーティン・クラインだという確証がつかめた直後、クラインが爆殺される。現場にはルミノール液の痕跡があり、犯人が血痕を拭き取るために使用したと思われたが、そのルミノール液はかつてグリッソムが考案したラスベガスCSI独自の配合だった。一方、アリーとフォルサムは、死体発見の通報があったモーテルへ向かう。

カジノの前に血まみれの白馬が現われる。乗り手の姿は見当たらず、血まみれのブーツがあぶみに引っ掛かっていた。出血量から乗り手の生死が危ぶまれ、馬の首に埋め込まれていたマイクロチップから馬主が判明するものの、馬主のロックはブーツに見覚えはないと言う。捜査を続けるフォルサムとアリーは、砂漠でエメリー・ホリスの遺体を発見する。エメリーは近くで、未成年の殺人犯たちの更生施設“始まりの牧場”を運営していた。

コンベンションセンター経営者の自宅に忍び込んだ泥棒が、バスタブで頭蓋骨と液状化した「何か」を見つけて通報する。バスタブから回収した腕時計から、その液状化した人体はこの家に住むエリック・ショーと推定された。エリックは、コロナ禍でイベントを中止した主催者2人から手付金の返却を要求されていた。フォルサムたちがバスタブの残存物を回収すると2人分の大腿骨が見つかり、被害者がもう1人いたと判明し……。

道路工事現場で男女の焼けた遺体が発見される。男の頭部には角が、女の背中には羽がついており、まるで天使と悪魔の様相だった。検視の結果、2人は「ビザール・デル・アルテ」と呼ばれる奇っ怪なショーのパフォーマーで、身体改造の手術を受けたジョナとトーリ夫妻と判明する。夫のジョナの死因は焼死だったが、トーリは絶命した後に焼かれていた。フォルサムとアリーは、トーリの手術を行なったチョー医師に事情を聞き……。