改編自工廠老闆遭鈍器重擊身亡的真實案件，17歲反叛少年弒父出走，碰上人生毫無目標的的士司機，幸福少婦因兒子被欺凌和老公失業，面臨崩潰邊緣；中年流氓為實現諾言陷入危機，他思念不知所終的女兒，不知女兒竟在北海道出賣肉體維生⋯五個人的人生，機緣巧合地交錯重疊。

Three storylines interweave in Border Line. Kurosawa (Murakami Jun) finds himself driving a taciturn young man named Matsuda (Sawaki Tetsu) halfway to Hokkaido, after accidentally knocking him off his bike; their fragile bond can last only so long. The housewife Aikawa Misa (Aso Yumi) tries desperately to hold her family together when her husband gets laid off and her son is so frightened of bullies at school that he throws up in the car; she’s reduced to taking a McJob in a convenience store. And Miyaji (Mitsuishi Ken), who collects debts for a yakuza gang, gets into trouble when his partner Kitajima puts personal need above duty.

2000年の＜PFF（ぴあ・フィルム・フェスティバル）アワード＞でグランプリを含む4賞を受賞した李相日(リ・サンイル)が、スカラシップ権を得て監督したもので、李にとって初めての長編となる。前作「青～chong～」が高校という「限定された空間」の、恋と友情という「絞り込んだ話」だったのに対し、この作品は、東から北へと「移動する」ロードムービーであり、性別も職業も年齢も「違う5人の話」となっている。時に深く、時に浅く、それまでまったく知らなかった他人とかかわることで自分の罪を知り、罰を受け、かすかだが確かな希望を感じるまでの道のりを、力強く描く。

やる気のないタクシー運転手の黒崎は、自転車で走っていた高校生・松田を轢いてしまう。「北海道まで行く」と言い張る彼。仕方なく黒崎は行動を共にするのだが、ラジオで流れたニュースで、彼が父親を殺害し逃げてきたことを知ってしまう。40代半ばのチンピラ・宮路は、舎弟の裏切りからヤクザの幹部に追われることになった。逃げ場のなくなった彼は、離れ離れになっている娘のことを思うのだった。 一見、マイホームを持ち幸福に暮らしていた主婦・美佐。しかし実際は、息子は学校でいじめに遭い、夫はリストラされストレスがたまる毎日を送っていた。家族とのつながりに傷を持つ同士が、ほんの一瞬出会い、触れ合う兆しをみせながら、離れていく……。