魏国に名だたる武将はおらず、亡命した廉頗も軍を率いる事はないと考えられていた。しかし廉頗が出陣した事が秦国軍に伝えられると、一同は焦りを隠せないでいた。しかし、総大将・蒙驁は柔和な笑みを浮かべたまま動じる様子はない。だが蒙驁は、かつて幾度となく廉頗と戦い一度も勝った事がないという過去を持っていた。その夜、不思議な癖を持つ蒙驁は、老人歩兵に化け陣内をこっそり徘徊する。
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決戦の地・流尹平野へと到着した両軍。此度の戦で蒙驁軍の副将を務める二人の武将、桓騎と王翦、この二人を率いた蒙驁は穏やかな中にも決意を秘め、長年の敵である廉頗に挑む。対する廉頗も共に激烈な戦場を戦い抜いてきた四天王を従え、激突のときを待つ。その顔には余裕の笑みを浮かべ自信と闘志が満ちあふれていた。そして両軍の陣形が整うと、ついにその第一陣が激突する。
戦の序盤、勢いで勝っていた秦国軍。第一陣で急造の千人隊は統率がとれず徐々に押し込まれていく。それは玉鳳隊も同様であり、その隙を狙った輪虎が王賁に襲いかかる。王賁はひるむことなく輪虎に果敢に打ち込むが捕えることはできない。第一陣の苦戦を見た秦国軍は第二陣を送り込むも、次々と崩されてしまう。しかし、その中で飛信隊だけは怒涛の攻撃をみせる。
信と輪虎の一騎打ちは激戦の末、信が勝利した。激闘を終えた信は、残してきた羌瘣の無事を確認すると、休む間もなく敵軍が迫る秦国本陣へと急ぐ。その本陣には敵将・廉頗が攻め込んで来ていた。圧倒的な威圧感を放つ廉頗を前に兵士たちが恐怖で動けなくなる中、蒙驁はただ一人、前へと進み出る。そして40年間の熱き想いを武器に、蒙驁は廉頗に一騎打ちを挑むのだった。
かつて反乱を起こし幽閉されていた成蟜と対面した政は、成蟜とその一派を解放する代わりに呂陣営の勢力に対抗するための協力を要求する。一方飛信隊は、東の前線基地・東金へと向かう途中、韓軍に攻め込まれていた徐という国を救出する。それにより、当初の行軍予定とは別の道を進む事となるのだが、その最中、数千の兵を率いた李牧と遭遇する。
威をふるう呂不韋に対し、成蟜と手を組んだ政は、発言権を持つ左丞相に昌文君を据える事に成功し、中国統一への足がかりを得る。一方、李牧と相対した信は、その言動から、更なる嵐がおこるであろう事を予感するも、それを乗り切るため決意を新たにする。中国統一を目指す政と、天下の大将軍を目指す信。二人は、それぞれの道をしっかりと見据えていた。
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