忍者 VS 無刀 刀を使わない剣術・虚刀流の七代目当主・鑢七花と、その姉・鑢七実は、地図にも載らない無人島・不承島で平和に暮らしていた。そこへ、奇策士を自称する、とがめという女性が訪ねてくる。幕府の役職者であるという彼女の目的は、伝説の刀鍛冶・四季崎記紀が、その人生をかけて完成させたという十二本の完成形変体刀の蒐集を、虚刀流の当主に依頼する事だった。長い間来訪者の無かった島への突然の来客と意外な依頼に戸惑う七花と七実。そして、そんな彼らに、暗殺専門の忍者集団「真庭忍軍」十二頭領の一人・真庭蝙蝠の影が忍び寄る…。
無刀 VS 居合 七花ととがめの、完成形変体刀蒐集の旅が始まった。まず彼らが蒐集に向かったのは、居合いの達人・宇練銀閣が所有するという斬刀・鈍。鳥取藩全土を飲み込んだ因幡砂漠にある下酷城に立てこもる宇練銀閣を訪ねる為、行けども行けども続く砂漠地帯をひた歩く二人。そして、体力の無いとがめの心が折れそうになるほど歩いた後に辿り着いた下酷城で、とがめと宇練銀閣との話し合いが始まった。 一見冷静な対応を見せる宇練銀閣であったが、果たして彼の返答とは…。
千刀 VS 無刀 神々の集う地とされる出雲の三途神社へと向かう二人。その神社の長である敦賀迷彩が所有する千刀・鎩が、彼らの蒐集対象である。特殊な事情で心に傷を負った女性達を保護しているという三途神社は、外界との関係に距離を置くかのごとく、千段もの階段の上に存在していた。そして、辿り着いた三途神社の境内で、とがめと敦賀迷彩の交渉が始まったのだが、敦賀迷彩は、刀を賭けた勝負に応じる条件として、とがめに対し、意外な申し出をする。
天才 VS 無刀 悪刀・鐚を祀る陸奥の死霊山が、何者かによって壊滅されられ、悪刀・鐚も奪われてしまう。その何者かを追って、日本の剣士達の聖地である、土佐の清涼院護剣寺へと向かう七花ととがめ。そして、刀大仏と呼ばれる巨大な大仏のあるその寺に辿り着いた二人は、そこで起こっていた異常事態と、その原因である意外な人物に遭遇する。
刀工 VS 無刀 奥州から尾張へ戻る途中、七花ととがめは、ある人物から助けを求められる。そして、その者からの情報により、真庭忍軍の頭領・真庭鳳凰が、毒刀・鍍を手に入れた事を知る。二人は、真庭鳳凰が向かったという、伊賀の新・真庭の里へと急ぐ。だが、辿り着いたその場に待ち受けていたのは、予想外の事態であった…。