エピソード 35
新章突入!ルフィとサボの針路!
ルフィの夢の果て──それを初めて知った麦わらの一味。海賊王にならなければムリな夢だ。最後のロードポーネグリフを発見できればラフテルに辿り着けると笑うフランキーに、ロビンは、その手がかりが全くないのだと話す。その頃、海軍は、ルルシア王国に潜伏するサボから革命軍の仲間たちへの通信を傍受していた。コブラ王を暗殺したのは自分ではない、と言うサボ。だが、マリージョアでとんでもないものを見たという。「レヴェリーが行われたパンゲア城……その虚の玉座には──!」サボが何かを伝えようとしたその時、ルルシア王国に落ちる巨大な影が…。そして無数の光の柱が降り注ぎ──ルルシア王国は跡形もなく破壊されたのだった。
数日後、新世界の海を航行するサニー号は空中に浮かぶ巨大な暖水渦に遭遇する。その中から聞こえてくる誰かの悲鳴。ゾロが暖水渦を切断すると飛び出してきたのは最悪の世代の一人、ボニーだった。ルフィは強風に吹き飛ばされたチョッパーを助けるのと同時にボニーも救出るが、その直後、サニー号の真下に不気味な影が現れる……!!
もっと読む新しい島!未来島エッグヘッド
新たな冒険へと出港した麦わらの一味は、海上でサニー号を丸呑みするほど巨大なサメと遭遇する。その勢いでルフィ、チョッパー、そして海中から出て来た謎の少女は海に落下してしまう。悪魔の実の能力者は泳げないため、ジンベエはルフィらを救う為、海に飛び込む。その直後、サニー号を襲っていたサメ型のロボットは、魚雷を放ち、船は転覆。一味もまた海へ落ちてしまう。激しい海流に流され、絶体絶命のウソップ達……。一方その頃、海軍本部G‐14支部にある子供部屋では、パンクハザードで救出した巨大な子供達を、大佐たしぎと海兵達が世話していた。そして別の部屋では少佐ヘルメッポと中佐ひばりが、上司である少将プリンス・グルスに黒ひげ海賊団に拉致されたコビーを救出するため、海賊島へと一緒に行ってくれと懇願していた。
しばらく後、とある島へと逃げて来たルフィ、チョッパー、ジンベエは、救出した少女の正体が〝最悪の世代〟のジュエリー・ボニーだと知る。ボニーは辿り着いたこの島が、〝500年後の未来〟と言われるDr.ベガパンクの研究所がある島・エッグヘッドだと教える。同じ頃、海では、海流に流されたはずのウソップ達が、突如現れた巨大ロボに救出されていた。そのロボットから出てきたのは、見た目は可愛らしい若い女性だった!
もっと読む未来満載! 科学の国の冒険!
サニー号を持った巨大ロボから出て来たのがDr.ベガパンクと知り、興奮するフランキー。ウソップとチョッパーは巨大ロボに興奮し、サンジはDr.ベガパンクが美女であることに興奮する。だがロビンは冷静に活動期間と見た目の年齢が合わないと、戦闘態勢に入っていた。Dr,ベガパンクは本体ではなくPUNK-02、ベガパンク・リリスだと告げ、逼迫した研究費を補充する為に金品をよこせと脅迫。断ると巨大なシービースト・ウエポンが姿を現し、さらに脅迫した。するとリリスにベガパンク・シャカから連絡が入り、ゾロとロビンがリリスを瞬殺できると伝えた。逆にゾロの要求により、ナミ達はエッグヘッドへ上陸する。
一方、一足先にエッグヘッドに上陸していたルフィ、ジンベエ、ボニーは洞窟から地上を目指して移動した。そして地上でルフィ達を待っていたのは未来都市! ここにも巨大ロボがいて、山積みの食べ物もある。ルフィとチョッパーが食べようとして食べ物の山に飛び込むが、すり抜けてしまう。それらは立体映像だったのだ。さらにかわいい女の子の巨大ロボが現れ、ルフィはそれも立体映像と思ってパンチを入れるが、それは実体の伴った巨大ロボで、ルフィは思い切りパンチを食らった。だが吹っ飛んだ先には、食べたい物を何でも出してくれるマシンがあり、ルフィ、チョッパー、ボニーはそのマシンで次々と食べ物を出し、食べまくる。そんなルフィ達を見ながら女の子のロボは「世界に技術が、資金が足りない!」と、怒りを露にする。ジンベエの「お前さん、一体何者なんじゃ?」の問いに女の子のロボはこう答えた。「雇われの…しがない天才科学者、Dr.ベガパンクだ!!」
もっと読むボニーの慟哭!未来島に潜む闇
世界政府の船がエッグヘッドへ向かっている。船内では、ロブルッチ、カク、ステューシー……サイファーポール・イージス0の三人が話し合っていた。カクがベガパンクについてルッチに説明する。曰く、ベガパンクは自分を『正(シャカ)』『悪(リリス)』『想(エジソン)』『知(ピタゴラス)』『暴(アトラス)』『欲(ヨーク)』の6人に分散したという。それを聞いたルッチは改めて任務を確認する。バーソロミューくまのセラフィムをエッグヘッドへ返し、更にベガパンクを全員消せばいいのか、と。その頃エッグヘッドでは、ルフィ、チョッパー、ジンベエ、ボニーがベガパンクの一人、アトラスと出会っていた。ルフィ達と交流を深めたアトラスは、暴れるのが仕事だからと言って去っていく。
更に街を探検していくルフィ達が未来服に着替えると、そこにやってきたのは警官のような服装をしたバーソロミューくまだった。そのくまはエッグヘッドの警備パシフィスタで、ルフィ達を拘束しようとやってきたのだ。レーザーで攻撃してくるパシフィスタにルフィが反撃しようとすると、そこへボニーが止めに入った。パシフィスタを見つめ、ボニーは言う。「お父さんなんだ……」。自分のたった一人の家族、バーソロミューくまを傷つけないでくれと涙ながらに訴えるボニー。しかしパシフィスタはそんなボニーにも容赦なくレーザーを撃ち込もうとする。ルフィが助けに向かおうとするも、レーザーは発射されボニーは閃光に消えてしまう。一方、新世界のとある海域をロー率いるハートの海賊団が進んでいた。そこへ待ち受けていたのは四皇・黒ひげ。襲い来る黒ひげ海賊団に不敵な笑みを返すロー。黒ひげもまた凶悪な笑みを浮かべ、叫ぶ。「宴の始まりだ!!!」
もっと読む勝者総取り!ローVS 黒ひげ!
悪魔の実狩りで次々に仲間たちを能力者に変えてきた黒ひげはロード・ポーネグリフを狙ってローを強襲してきた。シクシクの実の能力者、ドクQは病を伝染させる。ワプワプの実の能力者、ヴァン・オーガーは瞬間移動。リキリキの実の能力者・バージェスは超怪力。さらにウマウマの実幻獣種・モデル「ペガサス」の馬、ストロンガー。ハートの海賊団は彼らの能力に翻弄され、あろうことかローの体がドクQによる「女になる病」にかかって女体化。しかもそのローにふれたクルーも同様の現象がおこり、ポーラーダンク号船内は騒然となる。ローはこの病を破るため、覇気を発動する。過剰な覇気に〝能力〟は通じないのだ。覇気によって元に戻ったローはただちに反撃に移った。
ローは能力を駆使して黒ひげを追い詰め、クルーたちは水中戦を仕掛けて黒ひげの船を攻撃する。海軍でも、二人の激突はサカズキに報告されていた。爆発の衝撃に揺れる黒ひげの船の中には、ホールケーキアイランドから拉致されてきたプリンがいた。その拉致にはなんとクザンが関わっていたのである。そして、勝者島ではついにローと黒ひげの一対一の勝負が始まっていた。
もっと読む深まる謎!エッグヘッド研究層
くまの姿をしたパシフィスタが、ルフィ、ジンベエ、チョッパー、ボニーを捕らえようと襲い掛かって来る。強烈なレーザー攻撃を繰り返すパシフィスタに、ジンベエは反撃を試みる。しかしその時、ボニーが「待て!」と叫ぶ。ボニーは、たとえパシフィスタであっても、自分の父であるくまの姿をした相手が傷つけられるのを見たくない。ボニーが自身の能力で一同の年齢を操作し、たちまち老人となるルフィ達だったが、おかげでパシフィスタの認証をごまかすことに成功。パシフィスタは去っていく。ボニーは、父は暴君ではなかったと主張し、改造人間化は死刑と同じだと叫ぶ。
一方、麦わらの一味はリリスの操縦するベガフォース01に乗り、エッグヘッドの研究層へと降り立った。ブルックとサンジは船に残り、他の者は未来服に着替える。ラボへと繋がる自動階段を登っていきながら、リリスは自らの研究について語った。更に先を進んで行くと、エジソンから連絡が入り、「まっすぐ進め」と命じる。するとその先に厳重な扉があり、その扉の向こうに姿を現したのは子供のようなジンベエ。しかし異様な雰囲気を放ち、褐色の肌と黒い翼という、ジンベエにはない特徴を備えている。それはジンベエの姿をしたパシフィスタだった。パシフィスタは一同に襲い掛かって来る。その頃、廊下でシャカが通話している。そのの通話相手は、ドラゴンであった。
もっと読む天才の頭脳 6人のベガパンク!
セラフィム・Sシャークが、ラボ内部のナミたち五人に襲いかかった。ジンベエそっくりのクローン兵であるSシャークに手を出せないナミたち。だが、攻撃を食らったナミを見て、サンジの怒りが爆発。サンジ、そしてロビン、ウソップ、フランキーは、それぞれ得意技を放って反撃する。その様子を、ドクター・ベガパンクのサテライトであるエジソンたちがモニター越しに見つめていた。ベガパンクは麦わらの一味を相手に、Sシャークの戦闘データを収集していたのだ。個性豊かなサテライト=6人のベガパンクはいがみ合い、言い争い、そして協力しながら作業を続ける。ナミたちとSシャークの戦いは白熱するが、サテライトの一体であるシャカがやって来て制した。
同じ頃、ルフィはチョッパー、ジンベエ、ボニーとともにスクラップ場に来ていた。山と積まれたベガパンクの発明品の残骸。その中に、古くて巨大なロボットの姿があった。シャカによれば、それは900年前に実在した高度な文明を持つ“王国”で建造されたものだという……。
もっと読む禁じられた歴史!ある王国の仮説
ベガパンクのサテライトの一人・シャカは、エッグヘッドのような高い文明を持つ国が900年前に実在していた事をロビン達に語り始める。空白の100年とは現在の世界政府である20の国々とその王国の戦いの歴史であり、世界政府は勝利後、王国のすべてを歴史から消し去ってしまった……。ロビンの故郷であるオハラが壊滅したのも、その王国の存在に気づいてしまったことが理由ではないか? そう仮説を唱えるシャカに、オハラの文献は失われてしまったのにどうやって王国のことを調べたのか、と詰め寄るロビン。
実はベガパンクは事件後に廃墟と化したオハラを訪れており、その湖で、学者達が自らの命と引き換えに守り抜いた大量の文献を見つけていたのだのだと言う。母達の想いが果たされていた事を知り、涙を溢れさせるロビン。文献は今どこにあるのか、と尋ねる彼女にシャカはオハラで出会った者達について語り始めるのだった。一方その頃、スクラップ場で巨大ロボットを発見してはしゃいだルフィ達は、突然の衝撃と共に現れた謎の老人と遭遇していた……。
もっと読むオハラの意志!受け継がれる研究
ロビンはシャカから「オハラの意志は生きている」と聞いて涙をこぼす。シャカ(ベガパンク)は、オハラが壊滅したバスターコール事件より数か月後に自身が見たことを話して聞かせる。22年前――。壊滅したオハラを訪ねたベガパンクは湖に沈められた大量の文献を引き上げている数人の巨人族の姿を目撃する。現れたドラゴンによると、彼らは文献の価値を知っており、盗賊ではないという。花を手向ける二人だったが、ドラゴンは今回の事件を機に、軍隊を作ると宣言。その年の内に、ドラゴンはエンポリオ・イワンコフ、バーソロミュー・くまと共に『革命軍』は結成された。一方、ベガパンクは、内密にエルバフを訪ね、オハラの読み解いた世界の謎の研究を進めてきたのだという……。驚愕の過去を知り、唖然のナミ達。そして、ロビンはベガパンクの示唆した全身に包帯を巻いた妙な男とは、亡くなったと思っていた友人・サウロであると気づき、大粒の涙をこぼす。
一方、スクラップ場に来ていたルフィ達とボニー。ベガパンク本体の肥大していたはずの頭がバッサリ切られている理由が、彼がノミノミの実の脳ミソ人間であり、現在はその知識を『パンクレコーズ』に格納し、頭につけたリンゴ型アンテナの通信で受け取っていると知る。一味が出会ったシャカ、リリス、エジソン、ピタゴラス、アトラス、ヨ―クの6人はベガパンクの人格を6分割した分身だったのだ。自身と同じように、いずれは世界中の人類がこのパンクレコーズにアクセスし、体験と知識を同期し、共有できるようにとベガパンクは研究を進めているようだ。だが、科学を前に進めるために父親であるくまを戦闘兵器に変えたベガパンクを責めるボニー。ルフィは、鎮座する巨大ロボもベガパンクが作ったのかと尋ねるが、「こいつは200年程前に聖地マリージョアを襲っていたという伝説の鉄の巨人!!」とベガパンクは言い放つ!
もっと読む奇想天外!天才が想い描く夢!
エッグヘッドのスクラップ場ではベガパンク本人の話が続いていた。そしてルフィ、チョッパー、ジンベエの目の前に佇む巨大なロボットが、200年程前に聖地マリージョアを襲った伝説の鉄の巨人であることが明かされる。しかもロボットが作られたのは900年も昔であった。世界政府からは完全な廃棄を命じられたが、科学者達の好奇心がそうさせるハズもなく、ロボットは今に受け継がれ、ここにあるそうだ。つまり政府も知らぬ存在というわけだった。その話をラボフェーズにいたロビン、サンジ、ウソップ、ナミ、フランキー、そしてシャカ、リリスがモニター越しに聞いていた。ロビンは言う。「200年前……『魚人差別』に動きがあった年……」。シャカは『ベガフォース1』がこの鉄の巨人に習って作ってみた物と明かし、さらにベガパンクの科学力でも鉄の巨人の動力は再現できないと明かし、こう言った。「今の世界の常識を変える程の力が……過去にはあった」と。スクラップ場ではベガパンクが、「私をこのエッグヘッドから連れ出してくれんか」と、ルフィに頼んだ。
一方、ラボフェーズにいたピタゴラスはルッチ達の存在に気づき、シャカに報告する。シャカはルッチ達の入港を拒否し、迎撃態勢を取る。その頃、革命軍の基地があるグランドラインのカマバッカ王国では、修理中だったくまが突然動き出した。ドラゴン、イワンコフ、コアラ、リンドバーグ達が止めるが、くまは無言で走り出す。一方、膠着状態に業を煮やしたルッチは『エッグヘッド失踪事件』についてベガパンクに問いただす。2か月前に『サイファーポールナンバーファイブ』の船が一隻、1か月前に『サイファーポールナンバーセブン』、2週間前に『サイファーポールナンバーエイト』の船がエッグヘッドを訪れたが、一隻も帰還していないのだった。その事実はピタゴラス、リリス、シャカも知らないようだったが、ルッチ達にはS-ベアを置いて帰還するように伝える。その頃、カマバッカ王国ではくまがニキュニキュの実の能力で姿を消す。一方、スクラップ場でベガパンクが夢を語っている中、海岸で大きな爆発が起こるのだった。
もっと読む迎撃準備!ロブ・ルッチ襲来!
エッグヘッド近海でサイファーポールの船とシービーストウェポン達が対峙している。撤収を要請するピタゴラスの連絡を打ち切ると、ルッチは船を乗り捨て、S-ベアの能力を使ってエッグヘッドへ乗り込むと乗員たちに命令する。CP0達の行動に反応し、一斉に船へと襲い掛かるシービーストウェポン達。サイファーポールの船の大爆発の音は、エッグヘッドのスクラップ場にいるルフィ達の元にも聞こえてきた。問題なくエッグヘッドに降り立ったルッチ達は、都市部を目指して進んでいく。一方その侵入に気付いたシャカは、迎撃のためにセラフィムの出撃を宣言した。スクラップ場のベガパンクもまた自身の命の危機を感じ、ルフィに自分を海に連れて行って欲しいと頼む。
快諾するルフィに喜ぶベガパンクは、気絶したボニーを連れて雲の上にあるラボフェーズに来てくれと言いおいて消えた。その頃、ファビリオフェーズの都市部に辿り着いたルッチ達は、ベガパンクを捜して傍若無人に振る舞いながら先へと進んでいた。そこへ駆けつけてきたのはアトラスだ。「お前ら、これ以上暴れるならブッ飛ばしてやる!!」叫ぶアトラスに、しかしルッチは「遊びじゃねェんだよ」と容赦なく必殺の六王銃を放つ。直撃したアトラスは力なく倒れた。あたりに響き渡る研究員達の悲鳴、更にシャカの避難命令が通達される。大騒ぎの中、アトラスにまだ息があるのを気づいたルッチは止めを刺す為に彼女へと近づいていく。そこへファビリオフェーズを目指すべく走っていたルフィが現れた。ルフィもルッチも、お互いがここにいる事に驚きを隠せない。と、ルフィはルッチのすぐそばに、倒れたアトラスを発見した。「これ、お前がやったのか?」冷めた目で見つめ返してくるルッチに、ルフィは叫ぶ。「おれ達はこいつにメシ食わせて貰ったんだよ!!」一色触発の両者は激しい視線をぶつかり合わせた。
もっと読む異次元の力!ルフィVSルッチ!
海軍本部――、そこにいるのは苛立っているサカズキ。エッグヘッドにルフィたちがいることに加え、CP0まで上陸したという。既にボルサリーノがエッグヘッドに向かってはいるものの、サカズキはCP0とルフィたちを絶対に戦わせてはならない、と部下たちを叱咤する。だが、事態は既に手遅れ。ルフィとルッチは互いに能力を全開にして戦い始めていた。ルフィはギア5を発動。その姿は麦わらの仲間たちの多くが初めて見るもので、真っ白い姿で笑い転げるルフィに全員呆気にとられるばかり。仲間たち以上に興奮したのがベガパンクである。ベガパンクは、その反応に驚くナミたちの前でルフィを「神の姿」と呼び、「解放の戦士」「太陽の神ニカ」と称する。それは歴史から消された名前だというのだ。
悪魔の実は、人が望む「進化の可能性」だ、と力説するベガパンク。可能性ではあるものの、自由に望むままであり続けるとおのずと不自然なものにもなりうる。結果、不自然は自然の母「海」に嫌われる。能力者最大の弱点が海なのは、不自然だからだというのだ。ルッチも触発され、ネコネコの実・モデルレオパルドの覚醒フォルムへと姿を変え、戦闘はさらに熾烈になっていた。そのさなか、戦桃丸登場。セラフィム3体とともにベガパンクの依頼でCP0と対峙するが、ルッチの手銃が戦桃丸を貫いた!
もっと読む最強の人類!セラフィムの能力!
激化する戦いの中、ルッチによって背中を貫かれた戦桃丸が倒れる。覇気を弾く覇気でルッチの攻撃を防いだはずだったが、ルッチの攻撃はそれを破ったのだ。ルッチは更なる攻撃を加えようと爪を振り上げる。パシフィスタの威権順位は、ルッチたちよりも戦桃丸の方が上。ルッチがパシフィスタを操るためには、戦桃丸の意識を失わせる必要があるのだ。しかしルッチの攻撃を、ルフィが防ぐ。ルフィはルッチをふっ飛ばし、自分もその反動で回転が止まらなくなり、ドリルのように地面の下へめり込んでいってしまう。
一方、フランキーはジンベエのセラフィム、S-シャークの戦いぶりを見て驚愕する。フランキーの兄弟分であるセニョール・ピンクの能力を使っていたからだ。つまり、元の能力者であるセニョール・ピンクが死亡したということか? 焦り、涙を見せるフランキーだったが、ベガパンクはそれを否定する。ベガパンクは、超人系の場合、能力者の血統因子が手に入ればその能力を複製させられることを発見したのだ。ベガパンクは戦うセラフィムを見て言う。「セラフィムは私が考えうる、科学の最高峰!最強の人類と言える!!」ルフィはルッチとの戦いにケリをつけ、真空ロケットの搭乗口へ向かう。ベガパンクを島から連れ出すと、戦桃丸に約束をしたルフィは、ぎりぎりの所で真空ロケットに乗り込んだ。やがて研究員たちの避難も完了し、工場層は封鎖され、扉が厳重に閉められる。それを見た戦桃丸は、ついに意識を失うのだった。
もっと読む蠢く陰謀!エッグヘッド脱出作戦
ドクター・ベガパンク抹殺をもくろむCP0のロブ・ルッチ、カク、ステューシー。戦桃丸が倒され、強力な攻撃力を有するセラフィムは再びCP0のものとなる。ラボのベガパンクはサニー号に乗船する意思をナミたちに告げ、ルフィの到着を今か今かと待っていた。肝心のルフィ達は真空ロケットでラボ内部に到着するも、ベガパンクへの復讐に燃えるボニーが暴走し、どこかへ走り去ってしまう。一方、CP0はベガパンクの脱出ルートを塞ぐべく、エッグヘッド各所に部下を送り込んでいた。
大海原の上空では、バーソロミュー・くまが猛スピードで飛行していた。レッドラインに到達したくまは赤い壁に激突し、レッドポートに墜落する。
どうすればベガパンクを脱出させられるか? 知恵を絞るサテライト達。喧々諤々の議論の末、島内にいるもう一人の味方の協力を仰ぐことになる。そんな中、突然フロンティアドームが解除される。この好機を逃すまいと、CP0は研究層に接近、サニー号の破壊を企てる。
さらには、ベガパンクと麦わらの一味が手を組んだという情報に、海軍の艦隊がエッグヘッドへと迫っていた。
もっと読む父を戻せ!儚きボニーの願い!
エッグヘッドの雲の上に停泊しているサニー号とベガフォース1を発見した CP0。船を破壊しようと攻撃を放つカクだったが……それを迎え撃ったのは甲板でいびきをかいていたゾロだった。
同じ頃、サテライトがフロンティアドームを復旧。消えたボニーを探していたルフィ達は、ウソップらと無事合流を果たす。研究層に到着するなり、走り去ってしまったボニーは鉄パイプを手に、ベガパンクを追い回していた。
「くまを戻すことはできない」というベガパンクの言葉に怒り心頭のボニーは、悪魔の実の能力でベガパンクを幼児の姿にしてしまう。なぜ父を殺したのかと問い詰めるも、「その理由をボニーに話さない」──そう、くまと約束を交わしたと、決して口を割らないベガパンク。その時ボニーはくまと同じ肉球のマークがついたドアを見つける。止めるベガパンクを振り切ってドアを開けると、不思議な肉球型の物体を目にするのだった。
一方その頃、新世界の海を航行するキッド海賊団は巨人族の総本山・エルバフを発見。そして海軍本部G-14支部では、ある目的のためにガープが動き出していた……!
もっと読む絶体絶命!セラフィム総攻撃!
研究層内のある部屋で肉球型のエネルギー体を見つけたボニー。ベガパンクはそれに決して触れるなと叫ぶ。そのエネルギー体の正体は、バーソロミュー・くまの『記憶』だった。
同じ頃、海兵の攻撃を受けながらも、くまはレッドポートの絶壁を登り続けていた。そして、研究層内にはルッチ達が侵入。サニー号を守るため、ゾロはカクと激しく交戦していた。そこへS‐ベア、S‐スネーク、S‐ホークも襲来し、一気に不利な状況になる。シャカは威権順位が上である自分達がセラフィムに指示を出せれば、戦況はひっくり返ると予測する。
一味のピンチにサンジやフランキーもゾロ達の元に急ぐが、その前にルッチの「ラボを破壊しろ!!」という命令に、S‐ベア達はラボに向かって攻撃を開始する。任務完了を確信するカクだったが、突如ステューシーが首筋に噛みつく。ステューシーはさらにルッチにも噛みつき、二人はその場に倒れる。
突然裏切りの行動に出たステューシーは、ロックス海賊団ミス・バッキンガム・ステューシーの複製人間(クローン)であり、MADSクローン実験成功第1号だと発覚する……!
もっと読む麗しき反逆!内通者ステューシー
カクとルッチを眠らせたステューシーは、20年以上に渡って諜報機関に潜伏していたベガパンク側のスパイであった。その事実に驚く麦わらの一味。だが依然として、セラフィム達の研究層への攻撃は続いていた。攻撃を止めるため、外へ向かうリリスとエジソン。同じくゾロとブルックもセラフィムのところへと急ぐ。一足先に外へ出たリリスは、セラフィム達に命令しようとする。そこにS-ホークの刃が迫る。間一髪、ゾロがリリスを助け、S-ホークと剣を交える。そこへ追いついたエジソンがセラフィム達に戦闘の停止を命じた。だが、停止命令にわずかに間に合わなかったS-シャークのビームが、真っすぐエジソンに向かっていた。巻き起こる大きな爆発。エジソンの安否にリリスは悲痛の叫びをあげる。しかしエジソンは、駆け付けたサンジに救われていた。いつもは好戦的なリリスも、この時ばかりは涙を流してエジソンの無事を喜んだ。
ステューシーの助けもあり、エジソンの直接指示で命令は書き換えられ、セラフィムはサテライト達の指示に従うようになった。安堵するサテライト達と一味。一刻も早くベガパンクらを連れ、エッグヘッドから脱出したいルフィ達だったが、事件が起こっていた。ベガパンクの失踪である。
一方、海賊白ひげの故郷であり、新世界の海に浮かぶ島、スフィンクス。そこにはマルコの姿があった。島で起こった出来事について聞いていたのだ。子供達によれば、白ひげの財宝の隠し場所を教えろと、突然海軍が押し寄せてきたのだという。何も知らない島民の命まで奪おうとする海兵達。その危機を救ったのは元七武海、ウィーブルであった。話を聞いて驚くマルコ。すると、そこへウィーブルの母、バッキンが現れ、「海軍大将・緑牛がウィーブルを連れていってしまった」と涙ながらに訴える。島民を助けてくれた事への礼を言うマルコだが、バッキンの目的もまた白ひげの財宝であった。ウィーブルが白ひげの息子であることを疑う様子のマルコに、バッキンはDr.ベガパンクであれば血縁関係を証明できると語る。
その頃、海軍の軍艦とその軍艦に守られながら世界政府の船がエッグヘッドに向かっていた。世界政府の船に乗る、ある人物にお茶菓子を持っていく大将・黄猿。あの人物とは……世界最高権力「五老星」ジェイガルシア・サターン聖だった。
もっと読む異常発生!探せ!Dr.ベガパンク
CP0諜報員はベガパンク逃走阻止のため、エッグヘッド工場層を制圧。更なる作戦遂行のため、施設破壊を試みるも、突如レーザー攻撃を受ける。それは、頂上戦争時のプロトタイプを凌駕するパシフィスタマークⅢによるものだった。圧倒的な力で制圧され、連行されるCP0。
一方、傷だらけの戦桃丸は、パシフィスタの動向を気にかけていた。「パシフィスタは…うまくやってるか?」。実は、戦桃丸こそパシフィスタマークⅢを操っていたのだ。ベガパンクの身を案じ、通信を試みるも繋がらず、ルフィに託した戦桃丸は、苦渋の決断を下す。「わいももう…謀反者…!」。全50体のマークⅢを一斉起動させ、ベガパンクの脱出を誓う。
研究層では、ボニーがくまの生み出した不思議なエネルギー体に手を伸ばしていた。幼児の姿にされたベガパンクが必死に止めようとするが、ボニーはそれを振り切って触れる。エネルギー体は発光し、ボニーは草原のような場所に現れる。不思議な声が聞こえ、近づくと、大きな子供が傷つき泣き叫んでいた。その顔を見て、ボニーは愕然とする。「お父さん…………?」。
研究所はベガパンクの失踪に揺れていた。ルフィは研究層を探し回るも、ベガパンクは見つからず、出航は不可能に。シャカからの緊急報告が飛び込む。「フロンティアドームの制御不能…!」。出ようと思えばレーザーで焼かれるというのだ。研究層から出られなくなった麦わらの一味は、ベガパンク捜索を続ける。ルフィとゾロは研究所に残る。そこには、海楼石で拘束され気を失っているルッチとカクの姿。ウォーターセブンを懐かしむルフィ。
一方、モルガンズの船は、空を飛んでいた。「四皇麦わらのルフィ!! ベガパンクを人質にエッグヘッドに立てこもり、海軍と全面戦争!!!」という、事実とは異なる記事を作成。政府に感謝されるだろうと高笑いするモルガンズ。しかし、ビビが反論する。「ルフィはそんなことをするはずがない!」。ワポルが止めようとするが、ビビは怯まずに抗議する。モルガンズは高笑いしながら言い放つ。「この世界(フロア)を揺らすのはおれだ! ウソか本当かじゃねェ! 新聞はエンターテイメントだ!!!」。
もっと読む戦慄!研究所へ忍び寄る魔の手
ボニーは、エッグヘッドの研究層ルームNIKYUでくまの記憶に潜り込む。そこで知ったのは、くまの悲惨な幼少期だった。
一方、麦わらの一味は行方のわからなくなったベガパンクを手分けして探しに出ていた。そんな中、暗躍する怪しい影が一つ。それはピタゴラスを爆破すると、あちこちに仕掛けられているカメコを次々に破壊していく。その影響により、ルフィの通信機が故障。モニター室の監視カメラ映像も次々に見えなくなり、シャカはエッグヘッドの異変に気付いて言う。「研究所内に……誰かいるぞ」
ウソップ、リリス、ヨーク、フランキーのチームは、ベガパンクを探す中で、黒焦げになって倒れているピタゴラスを発見。さらに何者かが近づいてくる気配に、一同に緊張が走る。現れたのは、本体から切り離されたピタゴラスの頭だった。手足を生やし、頭だけで自由に動き回るピタゴラスの頭。誰にやられたのかを尋ねていると、いつの間かヨークの姿が見当たらない。気づくと、ヨークはデレデレした笑顔で、停止状態のS-スネークの頭を撫でていた。
すると次の瞬間、停止命令を出されているはずのS-スネークが動き、ヨークは石にされてしまう。
もっと読む理解不能!セラフィムの反逆!
ウソップ&フランキー達の前に現われたS-スネークは、ヨークを石に変えると、サテライト達の命令を無視し、攻撃をはじめた。突然の事態に、シャカと連絡を取ろうとするリリスだったが、通信は途絶えていた。
一方、司令室にはS-ホーク、S-ベアが出現する。ルフィ達によって捕らえられていたルッチとカクに剣を振り上げるS-ホーク。間一髪、その攻撃を受け止めたゾロだったが油断のならない状況が続く。そこへ、S-ベアが放ったビームの凄まじい衝撃に、ルフィとシャカが駆け付けた。シャカは戦闘の中止を命令するも、S-ホークらは一切攻撃の手を緩めることなく、ルフィらに迫る。そんな中、目を覚ましたルッチとカクは、なおも止まらぬセラフィムの猛攻に、共闘を持ち掛ける。しかし、ルフィとゾロは露骨に嫌がるのだった。
研究所内の一角では、CP5、CP7、CP8のメンバーとともにDr.ベガパンクが捕らえられていた。一体、何者の仕業なのか? その頃、大海原を進む海軍の大艦隊は、ルフィ達のいるエッグヘッドへ、刻一刻と迫っていた。負傷した戦桃丸は、エッグヘッドの研究員達に「島から逃げろ」と告げる。戦桃丸はかつてのオハラの悲劇を語り、「あの時以上の事件がここで起きるかもしれない」と予感する。
スパスパの実の能力を使い、ルフィらを攻撃するS-ホーク──果たしてルフィとゾロに勝機はあるのか?
もっと読む苦渋の決断!異色の共闘戦線!
突如命令に背き、攻撃をはじめたセラフィム達。拘束したルッチとカクを守りながらの戦闘を強いられるルフィとゾロは、S-ホーク相手に苦戦する。今は共闘するべきだと提言するカクだが、7人のベガパンクの抹殺という任務を負った彼らの言葉を、ゾロは聞き入れない。
その頃、エッグヘッド各所では行方不明となっているベガパンク本体を探していた仲間達が、セラフィムから攻撃を受けていた。さらにS-ベアもルフィ達に攻撃を開始。ついにルフィ達がルッチとカクを解放すると、4人は一斉に攻撃を放ち、S-ホーク、S-ベアを吹き飛ばすのだった。
一方、新世界のとある島の酒場では、赤髪海賊団が懐かしい旧友達と酒を飲み交わしていた。だが突如、攻撃を受けていると一報が入る。船を出すよう命じたシャンクスは、旧友達に「手伝ってくれるか」と声をかける。その相手は巨人族のドリーとブロギー。この島は巨人族が住む島、戦士の国エルバフだったのだ。シャンクスは、戦闘の前にひとつ伝えろ、と部下に告げる。
「本当に今からおれと戦うか――それとも、ロードポーネグリフを置いて消えるか、『選べ』と!!」そして赤髪海賊団に迫るのは──!?
もっと読む生き残れ!最強の人類との死闘
ルッチ、カクと共闘することとなったルフィ達は、セラフィムに次々と激しい攻撃を叩き込んでいた。しかし、何事もなかったかのように、すぐに立ち上がってくるS-ベアとS-ホーク。その様子を神妙に見ていたゾロは、彼らの特徴がかつてワノ国で対峙したキングに似ていると気づく。
その話を聞いたシャカは、セラフィムはキングの〝ルナーリア族の血〟で強化されていると答える。ゾロは、キングとの戦闘経験から、セラフィムの背中の炎が燃えている間はほぼ無敵だと今更ながらルフィらにアドバイスを送る。「もっと早く気付くべきだったな!!!」と思わずつっこむルフィ、ルッチ、カク。
一方、S-シャークと対峙していたナミだったが、見た目が子供ジンベエであったため攻撃を躊躇う。しかし、ゼウスに鼓舞され、力を合わせて『雷霆』を放つ! 吹き飛ばされたかに思われたS-シャークだったが、スイスイの実の能力で地面に潜り、再びナミに襲い掛かる。それを食い止めたのはサンジだった。そして、C棟3階でS-スネークと対峙していたフランキー達は、反撃を試みるも、瞬く間に石化されてしまう。
同じ頃、地下にある『旧〝悪魔の実〟研究室』をひとりで訪れたシャカは、そこで囚われたベガパンク本体とCPのメンバーを発見。「誰と来た?」とベガパンクに尋ねられた次の瞬間、シャカは何者かに狙撃されてしまう……!?
もっと読むオハラの再来!黒幕の野望!
大将黄猿が百隻の軍艦と共にエッグヘッドに向かっている、とステューシーから聞き、驚く戦桃丸。ただごとではない政府の構えに対し、ステューシーはその理由を述べる。一つはベガパンクがオハラの禁じられた研究を受け継ぎ、その先へ進んでいたこと、もう一つはオハラになかった戦闘力がエッグヘッドにはあることだった。戦桃丸は研究員、作業員達にエッグヘッドからの避難を急がせる。
一方、研究所のC棟3階では、ウソップとリリスを石化したS-スネークにフランキーが怒りを露わにしていた。しかしS-スネークは気にも留めず、ピタゴラスにとどめをさす。そして、S-スネークは次のターゲットをフランキーに定め、ゆっくりと歩を進めるのだった。
A棟2階ではロビンとチョッパー、アトラスがベガパンクを探しながらもナミ達を心配していた。そんな中、アトラスは現在、封鎖している研究室があると言い、ロビン達はその研究室へと向かう。A棟3階では、ナミ達を襲うS-シャークから、サンジが守っていた。そしてA棟4階では、ルフィとゾロが、ルッチとカクの命を狙う、S-ホーク、S-ベアと戦っていた。だがその戦いの中で、S-ホークが姿を消す。S-ホークを追って走り出すゾロ。そのゾロのあとを、さらにカクが追うのだった。
これらが「エッグヘッド事件」の一部始終であったが、事の発端は三か月前に遡る。
聖地マリージョアへ何者かから、「ベガパンクが空白の100年の研究をしている」と密告がある。その調査の為にCP5が派遣されたが、証拠は見つからなかった。さらにCP7、CP8も続いたが、帰還した者はいなかった。五老星と何者かの会談後、ベガパンクの裏切りは明白となり、五老星はベガパンクの暗殺に踏み切る。任務を受けたCP0のルッチ達が出航。五老星はベガパンクの反撃を想定し、自らの出航を決定、護衛に大将黄猿と各支部の援軍を従え、戦争の様相でエッグヘッドへと向かった。
しかしそこへ現れたのが四皇・麦わらのルフィの船であった。この翌日に迎える事件の結末は世界に思いもよらぬショックを与えることとなる。そしてアトラスの言っていた地下の研究室では、頭部を撃ち抜かれて煙を上げているシャカの近くを、何者かが歩いていた……。
もっと読む激突!シャンクスVSユースタス・キッド
セラフィム達の暴動の黒幕はヨークだった。「あたいとステラ、そして地下の人質を残して全員殺しちゃって!!」
ヨークはあらかじめセラフィム達に命令を下し、ルフィ達を襲うよう仕向けていたのだ。戦闘の衝撃に激震するフロンティアドームを、S-スネークが獲物を探して飛んでいく……。
その頃、エルバフの近海ではキッド海賊団が今まさに赤髪海賊団へ戦いを挑もうとしていた。
止めに入った赤髪傘下の海賊達を蹴散らすべく、キッドの「電磁砲(ダムド・パンク)」が照準を定める。傘下壊滅の未来を見て、単身キッドの船へと乗り込むシャンクス。必殺の「神避」がダムド・パンクごとキッドを一刀のもとに斬り伏せる。シャンクスのあまりの強さに震えあがるキッド海賊団のクルー達。キッドの命を助けてほしいと懇願する彼らだが、ドリーとブロギーが「覇国」を放ちヴィクトリアパンク号を破壊する。海へ投げ出されたキッド、キラー、そしてクルー達。海賊旗が燃え、こうしてキッド海賊団は壊滅した。海へ消えていくヴィクトリアパンクをシャンクスは鬼の形相で見つめていてーー。
もっと読む走れコビー!決死の脱出作戦!
黒ひげが支配する海賊島ハチノス。ゲッコー・モリアを助け出そうと侵入したペローナは、牢内に囚われていたコビーを「モリアを解放する」という条件で助け出す。ところがコビー脱出の情報は瞬く間に知れ渡り、島中の海賊達がコビーの賞金首を狙って一斉に動き出した。
そんな中、コビーは奴隷達を次々に解放、彼らが無事に脱出できるように自らは囮となり、島内を走る。この事態に動き出す黒ひげ海賊団の能力者達。コビーは奴隷達の無事を祈りながら逃げ回っていた。その脳裏に、黒ひげと対峙した時のことが蘇る。
黒ひげは、海賊島ハチノスを1つの国家にまで発展させ、世界政府の属国にするという野心を持っていた。そのための交渉材料として、海軍大佐のコビーを捕らえたのだった。しかし、コビーは「ムダですよ」と黒ひげの言葉を一蹴する。なぜなら、彼は『SWORD』所属。海軍に対して辞表を提出済みであり、交渉材料にはならないのだ。クザンはそれを理由に黒ひげをいさめるものの、黒ひげは「それがどうした」と笑い飛ばし、「計画を変えるつもりはない」と言うのだった。
囮として逃げ回っていたコビーだったが、次第に海賊達に追い詰められていく。時を同じくして港に3人の海兵が現れた、と海賊達の間で情報が錯綜する。そこに突如現れる『SWORD』のメンバー、孔雀。3人の海兵は確かに乗り込んできていたのだ。乗り込んできた残りの海兵2人とは──? さらに島には、ガープを乗せた海軍の軍艦が接近しつつあった。
もっと読む愛弟子のため ガープ中将の拳骨!
海賊島ハチノスの牢から脱出したコビー。しかし追手の海賊達に囲まれてしまう。そして、コビーに向け、一斉に放たれる銃弾! 絶体絶命かと思われたが、銃弾はなぜかお花に変わっていた。SWORD の一員、ひばりが火薬に花を咲かせる『お花弾』をひそかに撃ち込んでいたのだ。ひばりが自分を助けに来たことを知り、驚くコビー。
一方、プリンス・グルスは泥人形を操り、広場に誰も近づけない状態に。孔雀は建物を動かして、広場の形を変え、中にいる者が出られないようにしていく。準備が整った所で、広場に海軍の船が降って来る。そこに乗っていたのは、なんとガープだった。「コビーは海軍の未来! そして――わしの愛弟子じゃあ!!」
海軍の船には、たしぎやヘルメッポをはじめ、コビーを助けに来た人々が乗っていた。驚きをあらわにしつつ、コビーはひばりとともにガープに駆け寄る。その時、突如ひばりが凍りついてしまう。攻撃を仕掛けたのはクザンだった。なぜクザンと黒ひげは行動を共にしているのか?
それはクザンが赤犬との戦いに敗れ、海軍を去った1年後のこと。クザンが酒場で酒を煽っておると、黒ひげが怒鳴りこんでくる。表で黒ひげの仲間が氷漬けにされているのを発見したのだ。それは紛れもなくクザンの仕業だった。クザンは黒ひげに言う。「おれは傷心の上……気も立ってんだ。誰が悪いか想像しろ」。クザンと黒ひげは、静かな怒気を湛えて見つめ合うのだった。
もっと読む海軍驚愕!元海軍本部大将クザン
過去の出来事を思い起こすクザン。かつてヒエヒエの実の能力で黒ひげ海賊団のメンバーを凍らせ、黒ひげと一触即発の事態となるが……お互いの実力を知る二人は、酒を酌み交わし始める。
赤犬サカズキとの闘争に敗れて傷心のクザンに、黒ひげは追い求めているポーネグリフの持ち主である“ヒノキズの男”を知らないかと問う。だが、オハラの悲劇を体験したクザンにとってポーネグリフは苦い記憶を呼び起こすだけであり、“ヒノキズの男”の動向も掴んでいなかった。語らいは続き、「おれの船に乗らねェか」とクザンを誘う黒ひげ。黒ひげの言葉に、クザンは自分と同じ“何か”を感じるのだった。
そして――場面は現在に戻り、クザンはガープと対峙していた。「海軍に戻って来い!!」と告げるガープをクザンは拒否し、「アイスBALL」で攻撃する。だが、ガープはそれを受け止めると「海底落下(ブルーホール)」を放った!
その頃、新世界・勝者島では、倒れて力を失ったトラファルガー・ローの前で黒ひげが高笑いしていた。ローは黒ひげに敗れたのだ。ハートの海賊団メンバーも近海に投げ出され、ポーラータング号は海中深くへと無残に沈んでいく……。
もっと読む取りに行こうぜ!バギーの大宣言
苦しむ民衆を救うことに心血を注ぎ続けたTボーン中将が、市民の凶刃に倒れる。事件の引き金となったのは、クロスギルドが海兵に掛けた懸賞金だった。T ボーンの死を悼むセンゴクとつるは、一刻も早くクロスギルドを叩かねばいけないと語る。
その頃、クロスギルドでは Tボーン殺害犯である男がバギー達から盛大な歓迎を受けていた。怯えながらも、家族に金を送ってくれたことをバギーに感謝する男。その時、クロスギルドの船が完成したと知らせが入る。だがお披露目された船は船首にバギーをデザインしたド派手なものだった。激怒したクロコダイルとミホークによって、宙吊りにされるバギー。クロコダイル達が目指すのはいかなる勢力にも脅かされない軍事国家の設立であり、彼らにとってバギーは所詮お飾りのトップにすぎない。だが、バギーの目指すものはワンピースであり海賊王だった。
「取りに行くぞオオオ!ワンピース!!」彼の呼びかけに扇動された海賊たちは、熱い雄叫びを上げる。
一方、革命軍が本拠地とするカマバッカ王国には一隻の船が接近していた。乗っていたのは死んだと思われていたサボと、ルルシア王国の住民達。革命軍は再会を喜び、ルルシアの人々を仲間として受け入れる。そしてサボがドラゴンとイワンコフにのみ語り始めたのは、聞けば命の危険に晒されるかもしれない重大な話だった──……。
もっと読むサボの帰還 語られる衝撃の真実
カマバッカ王国に帰還したサボは、ドラゴン、イワンコフにマリージョア襲撃事件の真相を語り始めた。革命軍の任務は「天竜人のシンボルの破壊による『宣戦布告』」、「でき得る限りの奴隷達の解放と『くまさんの奪還』」、「神々の地の『食糧庫の破壊』」の3つであり、その影響で『8か国革命』が成功していた。だが、そのうちの一つ、ルルシア王国は謎の消失。その瞬間をサボが目撃していた。
無敵の要塞と言われるマリージョアであっても、兵糧攻めには耐えられまいと考えるイワンコフだったが、ドラゴンは〝神の騎士団〟が動き出すのを警戒していた。そして、サボはスクープ記事として世界に広がっていた『コブラ王暗殺』の真実を語り出す……。
一か月以上前――聖地マリージョアを襲撃していた革命軍のカラス、リンドバーグ、モーリーらは、海軍大将の緑牛や藤虎と激闘を繰り広げていた。一方、バーソロミュー・くまを解放する為に、パンゲア城に潜入していたサボ。同じ頃、アラバスタ王国のコブラ、チャカ、ペルは、五老星との面会に向かっていた……。
もっと読む聖地騒然!サイとレオ渾身の一撃!
聖地マリージョア・パンゲア城の護衛室ではサボが衛兵達と戦っていた。サボが全ての衛兵を倒した時、突如ドアが開く。そこに立っていたのはボニーだった。互いの目的が同じであることを知り、二人は行動を共にする。その目的とは、くまや奴隷達を拘束する錠の鍵の奪取であった。革命軍の情報を知っていたボニーは、父であるくまの解放をサボ達に託す。その時、衛兵達の追手が迫る──間一髪、ボニーと共に天井の柱に隠れるサボ。そこで、見てしまった者は消えてしまうという〝幻の部屋〟に関する噂を聞く。ボニーと共に城の外へと脱出したサボだったが、〝幻の部屋〟の件が気になり、再び城内へと戻る。
一方、パンゲア城の玉座の部屋では、コブラが世界政府の成り立ちとネフェルタリ王家の謎について、五老星に問いかけていた。しかし、「800年も昔の話」とサターン聖は取り合わない。
パンゲア城の社交の広場では、リュウグウ王国王女しらほしをチャルロス聖の命令を受けたくまが鎖で拘束していた。その様子を黙って見ているしかない他の国の王族達。しらほしの兄、フカボシ、マンボシ、リュウボシが助けに来るも、くまに返り討ちにされてしまう。それでもなんとか立ち向かおうとするフカボシ達であったが、そこへドレスローザのレベッカ&レオ、八宝水軍13代棟梁サイと世界貴族ドンキホーテ・ミョスガルド聖が駆け付ける。レオとサイの強烈な攻撃を浴びたチャルロス聖は地面に杭の様に突き刺さった。
その頃、コブラ王と五老星のいる玉座の部屋では、突如イムが現れ、「リリィ」と呟くと、誰も座ることが許されないはずの〝虚の玉座〟に座るのだった。
もっと読む託された伝言 (メッセージ)!コブラ王の覚悟
パンゲア城の玉座の間にて、コブラ王の目の前にイムが姿を見せた。イムの言葉に、コブラはこの部屋から生きて出ることは叶わない……と確信する。さらに、その思いを裏付けるように五老星達も言う。「イム様の姿を見た瞬間から、運命は決まっている」。
ついにイムによって、体を貫かれるコブラ。そこに、サボが火拳と共に飛び込んできた。そして、イムと五老星に向かって『王手飛車』の攻撃を放つも、イムは姿を変化させると、炎を噛み砕いてしまう!
さらには、五老星達も続々と能力を発動。姿を変え、サボを包囲するように迫りくる。応戦するサボに、コブラは息も絶え絶えに「キミはルフィ君の兄だな」と呼びかける。さらに「彼は恩人だ」とコブラが告げると、サボは「ルフィらしい」と笑うのだった。コブラと共に脱出を試みるサボだったが、そこにイムが攻撃を仕掛ける! 絶体絶命の中、コブラはサボに、ルフィとビビへのメッセージを託す。「我々も、Dである」と──。その言葉にサボは、エースとルフィの名前に「D」が入っていることを疑問に感じていた過去を思い出す。
コブラはサボを逃がすため、イム達の前に立ちはだかる。そんなコブラの覚悟を無駄にするまいと、サボはその場を後にする。
そして、この悲劇を偶然にも目撃していた人物がいた。ワポルである。衝撃的な場面に怯え、ワポルは一目散に逃げだす。その最中、思いがけずCP0にとらわれていたビビを助け出すと、妻のキンデレラも無視して、ひた走るのだった。
もっと読む揺らぐ世界!支配者の審判と五老星の始動!
行方不明になったコブラとビビを探して、イガラム達従者がマリージョアを駆け回るが一向に手がかりを得られずにいた。渦中のビビはワポルとともに、世界会議を終えた王族の船でマリージョアから脱出しようとしていた。なおも不安なワポルはモルガンズに連絡、匿ってもらう算段をつける。マリージョアを離れる王族の船には、傷ついたサボや腹をすかせたボニーなどが、それぞれ別の船で密航をはかっていた。
一方、パンゲア城では、イムと五老星がエッグヘッドへの対応策を講じていた。イムは、ベガパンクが作った『マザーフレイム』の使用を許可、その実験対象にルルシア王国を指名する。「国民に反乱の兆候があるルルシアを一瞬で消すことは、他国への見せしめにもなる」と五老星も同意する。
ルルシア王国には、密航したサボがたどりついたところだった。この国は革命軍によって反乱が起こりつつあり、王族の船の到着直後に国王夫妻は国民によって囚われてしまう。サボは革命を志す国民達とともにルルシアを脱出するが、船が離れた途端に、『マザーフレイム』の閃光がルルシアを包み込み、島を消滅させるのだった。
これがカマバッカ王国に帰還したサボが語った、一部始終である。サボの話を聞き終えたイワンコフは、イムという名前に聞き覚えがあると口を開く。突拍子もない話と言いつつもイワンコフは、「800年前、世界を創造した最初の20人の中に、『ネロナ家のイム聖』なる人物がいた」ことを語る。果たして、イムは同一人物なのか。そしてこの日、マリージョアでミョスガルド聖の処刑が執行された。指揮をとったのは神の騎士団の一人、フィガーランド・ガーリング聖である。
もっと読むガープとクザン 衝突する師弟の正義
海軍 G1 支部・近海廃船場。ジャンゴとフルボディ、ブランニューは異様な形の戦艦を見上げていた。打ち捨てられた戦艦は、装甲が大きく凹んでいる。しかも同じ状態のものが二つ並んでいた。凹んだ軍艦は、ガープとクザンの『軍艦バッグ』であった。サンドバッグ代わりに軍艦を毎日殴り続けていたのだ。ブランニューは語る。
「英雄達の強さは、生まれ持ったものじゃない!」
ハチノスではコビーと合流したガープ達が、海賊と戦っていた。サンファンウルフをふっ飛ばし、ハチノス脱出を目指すガープ。しかしその時、行く手を塞ぐようにクザンが現れる。対峙するクザンとガープ。ガープはコビーとヘルメッポ、グルスを先に海岸へ行かせようとする。そこに突如悲鳴が響き渡った。海賊に襲われている女性を発見し、助けに行こうとするコビーだったが、それは罠だった。隙を突き、透明化したシリュウがコビーに襲いかかる。しかし危機一髪のところでガープが盾となった。だが、さしものガープも深手を負ってしまう。弱ったガープの姿に、海賊達が一斉に襲いかかる。
いち早くガープの元へ駆けるのはクザンだった。クザンとガープの目が合い、一瞬のうちに過去の出来事が走馬灯のようによぎる。かつてクザンが海兵だったころ、ガープとクザンは師弟関係だった。軍艦バッグの前に二人並んで修業をし、苦楽を共にしていた。
しかし現在の二人は、お互いを睨み合い、拳を振り上げていた。二人の拳が交わり、覇気が炸裂する。一方、ハチノスから脱出しようとする海軍の船に、ピサロのシマシマの実の能力で作られた超巨大な腕が迫り来る――。
もっと読む最後の教え!受け継がれた拳骨(インパクト)
海賊島・ハチノスでは、ガープ達と黒ひげ海賊団との激しい戦闘が続いていた。
深い傷を負ったガープの姿に、コビーはかつて海軍本部で受けたガープの授業を思いだす。シマシマの実の能力を使って巨大な右腕を伸ばし、孔雀やたしぎ達の乗った軍艦を押しつぶそうとするピサロ。軍艦は砲撃を続けるが、右腕はびくともしない。ガープはコビー、グルス、ヘルメッポの三人に、ピサロの右腕を破壊して軍艦を守れと命じる。すぐさま行動に移るコビー達。右腕を駆け上がるが、黒ひげ海賊団がそれを阻む。だが、ヘルメッポが身を挺して彼らを撃退した。
一方、ガープもピサロの本体に接近すると〝拳骨唐竹割(ギャラクシーディバイド)〟を食らわす。衝撃と痛みでピサロに一瞬の隙が生じる。その隙をつき、ピサロを攻撃するコビー。ガープを見習い、つらく厳しいトレーニングを続けてきた成果が〝実直拳骨(オネスティインパクト)〟となって放たれたのだ。
粉々に砕けるピサロの右腕。その落石をグルスが〝粘土(グニョ)の巣〟で受け止め、軍艦を救う。コビー、グルス、ヘルメッポは軍艦に到着し、あとはガープの帰還を待つだけとなった。だが、ガープはクザン達に包囲されていた。
「人の未来を救え、前進せよ」というガープの教えを胸に刻み、コビー達はガープと別れ、海賊島を後にする……。
もっと読む第1123話
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