Takanori Hoshino : 役
エピソード 26
第 1 話 みらい出港
「戦争をする事は悪い事。しかし、一体悪いのは誰なのか。何なのか。」その問いに自分の納得できる答えを探し続ける角松。200X年6月南太平洋で行われる米軍艦隊との合同演習に参加するため、最新鋭イージス艦「みらい」は ハワイ沖に向けて横須賀を出港する。艦上での訓練後、予報にはなかった突然の荒天に見舞われ落雷を受けた直後、目前に理解を超えた状況が展開する。
もっと読む第 2 話 ミッドウェー
菊池は夜空に浮かぶ月の変化に気がつき、自分たちが過去に出現した事を悟る。「みらい」の周囲で急降下炎上するドーントレスや、レーダーに観測される現実に直面し、艦長の梅津は艦内マイクで乗員に通達する。「信じ難い事ではあるが、本艦は 1942年6月5日、ミッドウェー海戦域に突入したと思われる」角松を始めとする「みらい」乗員たちは、目前に迫る本物の戦場を意識する。しかし、そんな状況下、目前の海上に旧海軍の水上機を発見する。
もっと読む第 4 話 みらいの戦闘
クリス・エバンス率いる米海軍潜水艦は、エンジンを停止させている「みらい」に向けて魚雷を発射する。「みらい」ソナー室では水測員が魚雷音を確認。急速エンジンを始動させ、回避行動を展開する。向かってくる魚雷に恐怖した水雷長の米倉は、米海軍潜水艦に向けアスロックを発射する。
もっと読む第 5 話 草加の選択
米潜水艦に応戦した「みらい」。一部始終を見届けた草加を、角松は資料室に案内した。原爆投下、無条件降伏を経て21世紀へと続く日本の歴史は草加に何をもたらしたのか。明朝、横須賀入港の準備として、哨戒ヘリ「うみどり」が小笠原の偵察に向かった。高度を下げた「うみどり」の背後から現れた2機の日本海軍機。専守防衛を貫こうとする「うみどり」に、日の丸を掲げる戦闘機が容赦なく牙をむいた。
もっと読む第 6 話 攻撃命令
森三尉被弾。佐竹一尉からの悲痛な応射要請に苦悶する角松。森を見送る弔砲が響く艦上で専守防衛を説く角松に対し、隊員たちは異議を唱え始めた。艦の目的が未だ明確にならないまま、燃料食料補給のため南方へ進路を取った「みらい」。艦はアナンバス諸島に停泊。角松は作戦を提唱した草加と共に、昭和17年のシンガポールに降り立つ。
もっと読む第 7 話 マレー鉄道
角松と草加は、ジャングルの中を走るマレー鉄道に乗車する。角松が居眠りから目を覚ますと、草加の姿がない。動揺する角松に、憲兵の取調べが迫る。偽装書類を使っての作戦決行後、角松を連れ出しパーティに出かけた草加は、意外な人物に声をかけられる。それは、みらいの資料室で見た公式戦史上、シンガポールに存在するはずのない人物だった。
もっと読む第 9 話 デッドライン
草加が提示した条件を飲み、津田を伴い「みらい」に帰艦した角松。角松は陸で見たもの全てを梅津に伝えた。すでに元の21世紀に繋がる歴史は消えた。帰る場所も目的もなく漂い続けることに、隊員は限界を感じている。「みらい」はガダルカナル島を目指す。それはこの艦が初めて自ら選び取った進路だった。
もっと読む第 11 話 ガダルカナル島
佐竹が操縦する「うみどり」は草加を乗せ、戦艦「大和」に強引に着艦し、山本五十六と対面する。そこで草加はガダルカナル攻略に対して山本に進言する。一方角松は、尾栗、柳らとともにガダルカナル島北東、アウステン山中に上陸する。
もっと読む第 12 話 サジタリウスの矢
ガタルカナル島のこの日の戦闘は、史実通りに進んでいった。米海兵隊の上陸。上陸支援中の米豪艦隊へ突入した三川艦隊の大勝。そして三川艦隊は、米輸送船団を攻撃せずに撤収した。「草加は何もしていないのか!?」。このまま行けば、輸送船団の米海兵隊への補給が完了する。そうなれば、ガタルカナル島をめぐる日米泥沼の攻防戦は避けられない。角松たちは「みらい」としての作戦を実行する。作戦名は「射手座」(オペレーション・サジタリウス)
もっと読む第 13 話 黄金の国
ガダルカナル島に残る米海兵隊を、一人の血も流さず撤退させるため、「みらい」は“神の矢(サジタリウス)”ハープーンを放ち警告を発した。だが同時刻、「大和」率いる攻撃部隊がガタルカナル島に接近。「上陸中の米第一海兵師団を殲滅せんとす」。角松らにガタルカナル島撤退を促す「大和」からの通信は、草加の裏切りを告げるものだった。撤退の意思はない!「みらい」経由で回答した角松に、草加は直接交信を取ってきた。
もっと読む第 14 話 激突!
大日本帝国でも敗戦後の日本でもない新たなる国「ジパング」を作る。それが草加の野望だった。“誇りある講和”のため米海兵隊を殲滅すると言う草加に、攻撃を中止しないと「大和」に対艦ミサイルを撃ち込むと警告する角松。草加は、「あなたは今、指揮官として冷静か?」と訊ね、その答えを聞くと突然通信を切った。米海兵隊と角松たちのいるガ島に、「大和」の46センチ砲が放たれた。
もっと読む第 15 話 生者と死者
米海兵隊に向けられた「大和」の主砲弾を全て撃墜した「みらい」。「大和」では、「みらい」の恫喝に屈するなと主張する参謀たちを前に、草加が作戦中止を進言する。一方、ガタルカナル島にいる角松たちは日本軍を捜索中の米兵に発見され、自らの命を守るため、やむなく米兵に向けて銃を撃つ。
もっと読む第 16 話 岡村少佐の意志
史実では全滅したはずのガタルカナル島設営隊を救出。岬まで辿り着いたのは2千500名中185 名だった。救出作業を津田に任せて密林に入った角松は、設営隊の岡村少佐と遭遇。彼は、未だ密林をさまよう隊員捜索のために自分は残るという。史実では、岡村は一週間後に来るガタルカナル島奪還部隊と共に戦い、そして生き残る。だが今回の救出で歴史が変わり、おそらく部隊は来ない。
もっと読む第 17 話 ジパング胎動
草加たちを収容するため連合艦隊の根拠地トラックに入港した「みらい」。梅津艦長は山本長官と会見し今後の歴史を語る。山本は、陸軍の徹底交戦派・辻政信からガタルカナル島上陸への協力を強要されており、早期講和のため梅津に「みらい」の指揮権移譲を要請する。海軍の“謎の動き”を探るため山本と梅津の会見の場に近づく辻。その背後に現われた草加は、辻の額に銃口を突きつけた。
もっと読む第 19 話 もうひとつの参謀本部
「みらい」の横須賀帰港。だがガタルカナル島決戦を控えた今、駆逐艦を護衛に割く事はできないと連合艦隊司令部は紛糾。そこへ滝少佐が潜水艦で自分も同行すると申し出た。日本に戻った草加は石原莞爾と面会し、現在の日米の力関係を根底から覆す情報を与える。その頃、米空母「ワスプ」にハットン中佐の第六爆撃飛行隊が召集されていた。
もっと読む第 20 話 伊-21号
伊21号潜水艦とともに横須賀へ向かう「みらい」のレーダーが、未確認の機影を捉えた。伊号に照会すると「日本軍機」との回答が。疑念を抱いた角松は、柳を伴い伊号に乗り込んだ。「みらい」を沈める――それが滝の答えだった。伊号は急速潜行し、残された「みらい」の眼前には米軍40機の大編隊が飛来する。伊号にいる角松たちは安全と判断した「みらい」は、海域離脱を選択する。ところが突然伊号が再浮上を始める。
もっと読む第 21 話 1対40
「みらい」を第六爆撃飛行隊が襲う。自動発射管制モードなら、全機を瞬時に撃墜することができる。だが菊池は、一部を叩き相手の戦意をくじく戦法を取り、主砲と短SAM6基のみを発射した。戦闘開始後1分で飛行隊は半数を喪失。だが、残りの部隊はなおも退かなかった。
もっと読む第 23 話 ワスプ撃沈
「みらい」からの警告を無視した「ワスプ」にトマホークが着弾し、1万5千トンの空母が30分で沈没した。伊号では、滝が「みらい」を雷撃すると宣言。圧倒的戦力を持つ「みらい」と言えど、近距離から全門斉射を受ければ無事ではすまない。柳の心配をよそに、角松はそれは不可能だと断言した。角松に「撃てない理由」を説明するよう促された柳は、とっさにある答えを出す。
もっと読む第 24 話 死者と生者
一木支隊第二悌団がガタルカナル島上陸を断念。岡村は、辻に“未来から来た男”に聞いたガ島攻防戦の結末を語る。「みらい」による「ワスプ」撃沈は、双方の乗組員に衝撃をもたらす。第六爆撃隊は壊滅し、親友の死に立ち会うハットン。「みらい」もまた「死者5名」という現実に直面。隊員は戦争の重さと向き合うことを覚悟した。
もっと読む第 26 話 戻るべきところ
横須賀上陸の許可が降り、東京深川を訪れた角松。父・洋一郎の実家があるこの地で会った指物師が、角松の祖父・洋吉だった。洋吉に洋一郎のことを尋ねると、3日前に車に轢かれて死んだという。この世界は自分たちの日本に繋っていない。歴史を変えているのは草加。彼を生かした責任は自分にある。角松は草加を追う。
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