エピソード 12
upon a time
新藤景の一日は幼なじみの広野紘を「たたき起こす」ことから始まる。プロのマンガ家として活動している紘は、そうでもしないと眠気に負けて平気で学校をサボってしまうからだった。一方、ハーフの青年・麻生蓮治はいつものように駅を訪れ、駅で読書などをして時間を過ごしている新藤千尋と会っていた。
もっと読むclear colour
紘の留守中に尋ねてきたみやこを冷徹に追い返す景。一方、学校で呼び出しを受ける紘。腱鞘炎も治まらず、仕事を控えようかと考える紘。しかし、そこへ新しい仕事の依頼が飛び込む。 千尋の小説は、まもなく書き上がるところまで来ていた。蓮治との時間を忘れまいとする千尋は、休む時間を削って日記を読み直すようになる。千尋の反応が違ってきたことに、症状の改善を期待する蓮治だが――。
もっと読むforget me not
元の自分に戻ろうと、日記を読み返す千尋だが、ささいな読み違えから生じるズレ。「いつだって千尋は千尋だよ」と言う蓮治の目に抑えきれない涙が溢れる。一方、携帯電話をなくして、音信不通だったみやこから、紘へ連絡が入る。出会った時のように海辺で語り合う二人の影はいつしか――。その頃、景は、ミズキと京介の協力を得て、苦手だった料理の練習を再開。今度こそ成功の兆しを見せるが――。
もっと読むever forever
ついに小説を書き上げる千尋。蓮治にお礼がしたいと、デートを計画する蓮治と千尋。夕はそんな二人に秘密のプレゼントを渡す。音羽の街の風景の中を、楽しく散策する蓮治と千尋は、幸せなひとときを過ごす。しかし、千尋の書き上げた小説の結末は、蓮治の予想だにしなかった展開になっていた――。
もっと読むlove
「明日は今日よりいい日かもしれない」こんな単純な言葉が、蓮治をさいなんでいた。そんなとき、偶然手にした日記の一ページが、蓮治を激しくつき動かす。紘、京介、蓮治、千尋、景、みやこの六人はそれぞれに自分の答を見つけたり。答を探すための道に気づいたりする。しかし答を見つけたからと言ってそれで終わりではなく、また、それは決して楽な道でもなかった。しかし彼らはその答に真摯に向き合う。彼らをずっと見守り続けてきた雨宮優子、そして火村夕は、彼らの「忘れられない想い」に一つの終止符を見る。そして、遠い遠い約束を果たす。それは、もう一つのおとぎばなしだった。
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