子供の頃の大事故をきっかけに、物や人を容易に解体できる「モノの壊れやすい線」が視えるようになった志貴。事故後、親戚の家で生活していた彼は、父の死を機に実家に戻ることになるが、引越し当日、体調を崩して学校を早退してしまう。帰宅途中、志貴は街中で一人の女性に目を奪われる。真っ白い肌。整い過ぎた顔。圧倒的な存在感、まるで人外の様な…。その瞬間、志貴は自分を見失っていく。

夢の中で殺したと思っていた女性が目の前に現れたことに狼狽する志貴。アルクェイドと名乗る彼女は、自分を吸血鬼だと語る。この街で多発する連続猟奇殺人事件は、他の吸血鬼の仕業であり、それを滅ぼしに来たのだと。そして、志貴によってバラバラにされた体を再構築するために力のほとんどを使ってしまったアルクェイドは、力が回復するまでの間、自分を守ってくれるよう志貴に協力を求めて来る。

アルクェイドの部屋で目覚めた志貴は、昨夜、二人が身を潜めていたホテルで、多数の行方不明者が出たというニュースを見る。残されていたのは大量の血痕と獣の毛。二人を襲った「混沌」と呼ばれる吸血鬼ネロの仕業だった。ホテルの客の中に弓塚がいたことを思い出した志貴は、後悔の念からアルクェイドに協力することを決意する。

ネロとの一戦で深い傷を負った志貴は、遠野家の門前まで来て倒れ込んでしまう。翌朝、目覚めるとそこは自室のベッドの上。手当てが施された傷は、自分が思っていたほど酷くはなかった。階下では、秋葉が志貴の目覚めるのを待っていた。ここ数日、どこで何をしていたのか執拗に訊く秋葉。本当のことなどいえるはずもなく、志貴は答えに窮する…。

突然、学校に現れたアルクェイドに驚く志貴。彼女の行動に戸惑いながらも、事件の真相について説明を求めると、ネロは猟奇殺人事件とは関係なく、アルクェイドを狙って現れた刺客なのだという。「アカシャの蛇」の別名を持つ吸血鬼ロアが事件の真犯人であり、彼に使役されている「死者」を狩ることが彼を探し出す唯一の手掛かりだと聞いた志貴は、アルクェイドと共に夜の街へ出掛ける。

志貴は学校で、数人のクラスメイトたちが行方不明になっている、という噂を耳にする。もしかしたら吸血鬼に…。そんな不安が過ぎる中、アルクェイドが再び学校に現れ、志貴を遊びに誘う。彼女の無邪気さに苛立ちを覚えた志貴は、強い口調でアルクェイドを追い返す。その夜、志貴は昼間のことを気にしつつ待ち合わせ場所に出向くが、そこにアルクェイドの姿はなかった。

しばらく途絶えていた猟奇殺人事件が再発した。しかも、それは志貴たちが出掛けた遊園地で起こっていた。遊園地から帰って来た後、元気のない秋葉。遂には体調を崩して寝込んでしまう。志貴は秋葉の具合が良くなるまでアルクェイドと出掛けるのを控えることにするが、家で秋葉と琥珀の只ならぬ様子を盗み見てしまい…。

顔を包帯で覆った男が、ナイフを手に襲い掛かって来た。まるで「線」が視えているかのように、志貴の急所にナイフを突き剌そうとする男。志貴は何とか危機を免れるが、胸の傷痕から血が噴出し、その場に倒れ込んでしまう。意識が薄れる中、志貴は幼い頃の記憶とも思える夢を見る。深い闇。月光を浴び、青白く輝く七夜のナイフ。そして…。

約束を破ったことに腹を立て、志貴の部屋に押し入って来たアルクェイド。デートに連れて行ってくれたら許すという彼女の言葉に、渋々頷く志貴。これまでとは違い、ただ一緒に過ごすためだけに出掛ける二人。映画を観て、食事をして、お互いのことを語り合って…。楽しい時間を過ごすうち、アルクェイドは思いもよらないことを口にする。

アルクェイドの瞳が金色に変わり、志貴に向かって迫って来た。志貴の目の前まであと一歩となった時、アルクェイドの行く手を遮るように剣が放たれる。現れたのは、法衣を身にまとったシェル。シェルはアルクェイドに剣を向けるが、志貴がその前に立ちはだかり邪魔をする。その姿を見たアルクェイドは…。

アルクェイドの部屋で目覚める志貴。しかし、隣にいたはずのアルクェイドの姿はなく、テーブルの上には一通の置手紙が残されていた…。